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2009年2月12日木曜日

眠さを分析する

別に今、眠いわけではないんだけど。ただ、「眠い」という感覚には、いくらかの興味がある。いろいろな要因があるんだろうが、私が特に感じるのは「当事者意識」が薄らいでいる状況が大きな要因みたいだ。たとえば、自分抜きでも十分に成立しているような会議とか。

逆に、自分が気合を入れている会議で、ものすごく眠そうな人がいるとしよう。ひょっとすると「ちゃんと会議に参加してください!」と怒りたくなるかも知れない。でも、その人が眠たい理由をよく考えてみないと、単に精神的苦痛を与えるだけで本質的な意味がない。

たいていの場合、注意されようが、自分でなんとか努力しようが、モーレツに眠いときは眠いんだ。これは、ほぼ何かの強制力に近いほどの生理現象だもんね。でも、眠さの根本原因を探ると、別のところに問題点があることが見えてくる。

以前、必ず決まって眠くなる会議の前日に睡眠時間を計測し、十分な睡眠を確保した上で会議に出席したことがあるんだけど、それでもやっぱり順調に眠くなっちゃった。これは前日の睡眠時間確保の問題じゃないんだね。そこでその時の会議の状況を分析してみた。

(1) 会議の内容が手を変え言葉を変えて「堂々巡り」していた。
 →「納期が遅れる」という結論を違う言葉で延々と表現するとか。
(2) 発言者の声に抑揚がなく意思を感じないお経みたいだった。
 →「私も時間がないところ嫌々やってるんです」感まるだしの発表。
(3) 現場当事者と現場当事者でしか通用しない会話が混在した。
 →全体会議と現場会議を分けて行うべき。(後に分かれた)
(4) その会議により引き起こされる自分の業務がなかった。
 →自分の業務に直接関連しない話を延々と聞くのは苦痛なのだ!
(5) 会議の雰囲気が固定化していた。はっきりいうと定例マンネリ。
 →かくしてパブロフの犬のごとく眠りに誘う儀式は毎週行われた。

たぶん私以外にも眠かった人、実はいたんじゃないかと思うよ。何人か(4)みたいな人がいたもん。そこの部門の長に「とりあえず話だけ聞いといてよ」みたいなことを言われて、仕方なく参加していたような人。

業務に直接的に関わってはいなかったし、むしろ関わりたいなとも思わない状況下で、かつ自らに議決権のない会議にケチをつけるのは面倒だったり。その他、立場などもろもろの「言い訳」で眠たい会議に黙って参加し続けました。

ええ、「言い訳」ですよ。そこは潔く認めましょう。だって、どんな内容の会議であろうと、そこには参加している私の人件費が発生しているんだから。その会議の参加自体が「業務」なのだから。そこは逃げようのない事実。

ただ、自分が主導権を握っている会議だったら、次のような工夫をしたと思う。というか自分が今後深く関わる会議には意識しようと思うことを書いてみる。

(1) 確認すべき項目を事前にリストアップしておく。
  →明確に「Yes/No」の項目をチェックする。
  →結論だけ聞いたら次に進む。(詳細はその後)
(2) 会議自体のモチベーションを活性化させる工夫をする。
  →「賛辞」を機軸とするポジティブな空気を醸成する。
  →最初は嫌々でも、褒められれば嬉しくなってくる。
(3) 全体会議の前に各所の現場会議を済ませてもらう。
  →全体会議の時点における現場レベルの協議は認めない。
(4)(5) 強制的にでも「発言の機会」を全員に与える場にする
  →話し手が決まっている会議には不要な人々がいる。
  →惰性で参加している人を見分けてリソースを開放する。
  →一言でも口を開いて話すと覚醒効果が高かったりします。

眠い人がいる会議には、他に何か本質的な問題が隠れているんじゃないのかなあ。そういう会議は、どこかであらすじを整理する場が必要なんだと思う。たいていの場合(自分の経験上)、毎回眠くなる人というのは会議に復帰しろと言われても、どこを足がかりにしていいのか分からなくなっているし、そして相当にあらすじを質問しづらくなっている。

そうでなくても、やはりダイジェストは必要なんだと思う。

・どこがゴールで
・何がどこまで進んでいて
・何が障壁になっていて
・何を決めなくてはならないか

議事録よりも荒いダイジェスト資料があるといい。障壁とかトラブルにしても四捨五入・・・いや切捨てくらいの荒さでいいから、ざっくりとしたダイジェストがあるとだいぶ違うんだと思う。

それから、これは我ながら、ちょっと変なアプローチなんだけど、会議出席者全員のモチベーションを確認するのがいいような気がする。参加者全員がモチベーションゼロの会議だったら不幸だけど、ひとりでもその会議に意義とモチベーションを持っている人がいるのなら、それをまず共有したほうがいいと思う。

つまり、会議の向かうべき方向性に対する喜びを共有するんだ。これって会議だけの話じゃないかもしれませんよ。つまんない仕事をつまんないままでやるから、つまんなくなってモチベーションが下がるんだよね。

「面白い仕事なんかない。大人は我慢だ。」と決め付けちゃダメなんじゃないのかな。面白さを発見することって実はものすごく大事なことだと思う。限られた貴重な人生の時間なんですよ。どれもこれも。

だったらモチベーションをあげて、「つまらない仕事」を追い出す努力があっていいと思う。何のために必要な仕事なのか。それは自分にとってどういう意味を持つのか。もしくはどのような役割を期待されているのか。どのあたりがエキサイティングで面白いトコロなのか。・・・心理的なバリアフリー化にモチベーションって必要だと思う。

そのあたりの意識が根底にあるのとないのでは、生産性とか品質が変わってくると思う。「遊びのように興奮できる仕事」を作り出すことが、これからますます必要になってくると思う。仕事は我慢してやるもんじゃない。

ちなみに、モチベーションによる意識の建て直しが不可能なほどの眠気に襲われた場合、私は次の緊急装置を使ってますよ。

【会議からの脱出が可能そうな場合】
お腹の調子が悪いことにして会議室脱出→(可能であれば)コーヒーを飲む→トイレの個室(洋式)に逃げ込む→3分後に振動タイマーが作動するようにする(スヌーズ機能がある場合は自分で止めるまで1分毎に作動するようにしておく)→仮眠→起きて戻る。
※カフェインは遅れて効いてくるので、できれば早めに摂取。
※トイレで熟睡しそうな悪い予感がする時は使っちゃダメです。

【会議からの脱出が困難そうな場合】
息を大きく吸い込む→時計の秒針の秒数を見る→息を止める→60秒たつまでとにかく我慢する→呼吸再開→すっきり!
※呼吸再開後に息づかいが荒くならないように注意!

前者と後者のどちらかというと使い勝手のいい後者かな。「もうすぐ60秒」の頃には息が苦しくて頭がクラクラしてきますが、息を吸い込んだ時には驚くほど意識が覚醒しているはずです。
※素潜りが得意な人の場合、1分程度では効果がないかも知れないので、あくまでも「自己責任」で限界に挑戦してみてください。

ところで、

・少なくとも前日に6時間以上睡眠をとっている
・いかなる状況にもよらず起きていられないほど眠い

という場合は「睡眠時無呼吸症候群」などで、実質的な睡眠がとれていない疑いがあります。状況によっては命に関わるので病院に行った方がいいです。

すぐに病院に行けない状況の場合、ちょっと寝苦しいですが、うつぶせに寝てみると飛躍的な効果が期待できることがあります。もちろん、後で病院に行くことが大前提なので、これも「自己責任」で。

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