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2012年10月26日金曜日

発達障害を「障害」にしない


■発達障害とトラウマ

最近、にわかに「発達障害」にスポットライトが当たってきているような気がします。で、仕事柄、なんだかんだと、私は発達障害でお困りの方に出会う機会に恵まれています。一言で「発達障害」といっても、ハンコで押したように同じような状況で苦しんでいるわけではなくて、まさに人それぞれ。

実のところ、これまで発達障害でお悩みの方に就労移行の手伝いをさせていただいたんですけど、正直なところ「失敗例」もたくさんあります。具体的には「理解し合えずに空中分解(支援中止)」という経験です。だから、おそらく私が貢献できる方々は「ごく一部の方々だろうな」という認識はあります。

だから、私が「すべてを知った風」なことを書けるわけでもないのですが、多くの発達障害でお悩みの方々と関わって感じるのは、「ずいぶんと心に傷を抱えて生きているんだなあ」ということです。そして、常に「不安と恐れ」に満たされているような感じがします。

自分が何かのアクションを起こすと、高確率で「他人の価値観と反することをしてしまう」という事態は、自信の喪失にもつながりますし、「何をやれば正解なんだ?」という恐怖を生み出すんだと思います。自分の価値観で行動するたびに、それを否定され続けるのはトラウマになりえます。

「自分は人と違うので生きているだけで迷惑をかけてしまうんです」と、トラウマで深く傷ついている人を支援することがありますが、そんな時、私はいつもこう伝えるようにしています。

 ◆『平均的な人々と違う』ことは『優れた武器』なんだと思います
 ◆『平均的な人々と違う』ことで困る点は『小手先』で対応しましょう

そう、「発達障害」の対極にあるのは「健常者」とかじゃなくて「平均的な人々」というのが、私の中では一番しっくりとくる言葉なんです。「平均的」というのは「多数派」によって形成されている価値観でしかないわけですから、「平均的な人々」という表現には十分な妥当性があると思います。


■独創的であるということ

話が飛躍していることを認識しながらも私が思うことは、「iPhoneやiPadは平均的な人々には作れない」ということです。iPhone、iPadの生みの親、スティーブジョブズは相当な変人だったと聞きます。ある日、エレベーターに乗っていた時に、途中から乗ってきた社員を見るなり「お前クビな!」と解雇してしまったという逸話はあまりに有名です。

参考URL: http://goo.gl/YX8lT

スティーブジョブズだけでなく、Windowsを世に送り出したビルゲイツにしても奇行は目立ちます。それでも、それまで「平均的な人々」にはなしえなかった独創的なサービスを世の中に送り出すことに成功しました。それは「満ちあふれる独創性」による才能のおかげなんだと私は思うのです。

「平均的な人々」にとって、「独創的すぎる人々」は「変人」に思えるかもしれませんが、それだけに「常識」に囚われない新たな価値観を生み出してくれる可能性を持っています。だから、そういう人々は「平均的になる」なんてことに心血を注ぐよりも「才能」を活用する方法を磨いた方がいいと私は考えています。

そして、「特異な才能を覚醒させる」ためには「平均的な方法」では困難だろうというのが私なりの結論です。そういう思想のもと、私がプロデュースする就労移行訓練メニューは「一風変わったモノ」に仕立てています。「訓練」というよりも「遊び?」と思われるものも多いです。

もちろん最低限のコミュニケーションは必要なのですが、そういう部分を補うのは、マニュアルなりガイドラインで「平均的な人々」を「装えば」どうとでもなります。具体的には、(1)自分の行動を分析して、(2)確率的な方法で、(3)正解と思われる選択肢を選び取るようにします。


■発達障害に特化した就労移行事業所が千葉の市川にオープン

最近、私は千葉で10月から新しく認可された就労移行支援事業所で、発達障害に悩む方々に特化した個別支援プログラムの開発に従事しています。特に私が担当するのはITエンジニアとしての経験を活用し、IT業界の「仕事体験」を通した業種選択のチャンスを広げるコースです。

本来、仕事というモノは「好き」=「向いている」というところからスタートすべきだと思います。もちろん、現実的に困難が伴うことも多いのですが、芸術家は芸術を愛する人、音楽家は音楽を愛する人、文筆家は文章を愛する人がめざしていく……これは極めて当たり前のことだと思うでしょう。

しかし、企業への「就職」となると、急にその「当たり前」を忘れてしまいがちです。好きか嫌いか……よりも「入れるところに入ろう」としてしまうんですね。うまく就職できたとしても、好きでもなんでもない領域だったとしたら、仕事を続けていくことは難しいだろうと思います。

私のコースではまず「楽しい」を体験してもらいたいと思っています。「楽しい」と思えるようになれば、その後にはチャンスがいくらでも待っていると本気で考えています。そしていわゆる「独創的すぎる人々」は才能が開花した後、天才的な結果をだす可能性が高いことも経験的に分かってきました。

そもそも「独創的すぎる人々」は、集中力が飛び抜けて高い人も珍しくありません。ただし、そのエネルギーは「自分が好きだと思えることに対してのみ」に発揮されるので、それなりにターゲットを絞り込んでいく必要がありますが、これがピタリとはまると「奇跡的な強さ」を発揮します。

これは「誰かから聞いたり読んだりしたこと」ではなく、私自身の経験から学んだことです。私はこの経験をより多くの人に体験していただきたいと思っています。もしも内容について気になられた方がいらっしゃったら、まずは、私、まつしたまでお問い合わせください。

Facebook  https://www.facebook.com/suguru.matsushita
ユースキャリアセンター フラッグ 047-711-3368(まつした)

まだ、10月にオープンしたばかりなので利用者の数が多くなく、今の時期が特にオススメといえるかもしれません。私が二年かけて開発したメソッドで、「自分自身も気づかなかった可能性」を磨いていただきたいと考えています。

必要な資質は「好奇心」と「素直さ」、それから「自分を信じる気持ち」です。いくら才能があっても「自分の才能」を自分から見捨ててしまっては輝くことはないでしょう。ただ、今の時点でそれほど自信がなくても大丈夫です。楽しみながら「やること」をやっていれば自然に自信はついてきます。

なお、私は主にIT系統を担当していますが、ユースキャリアセンターフラッグでは、ITだけに限らず幅広い職種にトライできるプログラムを多数用意しています。「ITをやってみたいけれど自信がない」という方は、「ITにもチャレンジしながら他の可能性も模索しよう」という方法がオススメです。

もし、これを読んでくださっている方で、ご縁がありましたら、ぜひとも千葉の市川でお会いしましょう。