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2009年5月26日火曜日

孤独というリスクを取る

以前、新しい仕事を立ち上げようとして、共同経営パートナーを募りました。
一人よりも複数人で進めた方がいいと思ったからです。

結果、責任の所在が不明確になってしまい、方針の分裂を招いた挙句に失速。
でもこれは、価値のある失敗体験だったと思います。

なにか本当にやりたいことがあるなら、孤独というリスクを取るべきなんです。
ちゃんと自分一人でやりたいことの方向付けをしておくことは何よりも大事。
なぜなら、プロジェクトの方向性が甘いと、ブレ幅が広くなっていくから。

たとえば、本当にやりたいことを突き詰めていこうとした場合、

(1)「いい入れ物を作りたい」
    ↓
(2)「いい箱を作りたい」
    ↓
(3)「いい黒い箱を作りたい」→「こんな素材がある」「得意な人がいる」

のように、やりたいことを一人で熟成させていくと(1)~(3)の順で決まります。
で、(3)の時点で協力者を入れれば、やりたいことにほとんどブレがありません。

きっと(3)を実現するために、素材や人材についての助言がもらえるはずです。
そしてたぶん、いい黒い箱が作れると思います。まぁ、へんなたとえですけど。

でも、中途半端な状態で協力者を入れると、協力者によるブレが広がります。

(1)「いい入れ物を作りたい」→「壷はどうか?」「灰皿は?」「ポーチは?」
    ↓
(2)「いい箱を作りたい」→「白い箱がいいのでは?」「小さい箱どはどうか?」
    ↓
(3)「いい黒い大きな箱を作りたい」→「こんな素材がある」「得意な人がいる」

自分で何かを作りたいと考えた時、(1)や(2)の時点で構想を手放さないこと。
結局、助言を尊重するあまり、作りたくなかった「壷」を作る可能性があるから。
自分でやろうとしている仕事なのに、やりたくないことをやるハメになっちゃう。
リスクを取ってやらされ仕事をやることほど、アホらしいことはないと思います。

昔、普通に正社員をやっていたころ、
「社長は自分の意見ばかりで人の意見を聞かない」
なんて、よく憤慨していたものです。

今ではその理由も分かります。もちろん第三者の意見を聞くことも大事です。
でも、第三者の構想だけを尊重していくと、結局自分の構想がなくなっちゃう。
このあたりのさじ加減やバランス感覚は、理屈じゃないのかも知れません。

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