今日は、IT現場のハケン仲間が大騒ぎしていた。
今まで面倒な作業で制作していたWebアプリケーションを、「Ext」(http://extjs.co.jp/)という仕組みを使うと、洗練されたWebアプリケーションが簡単に作れてしまうことが明確になったからだ。
要するに誰でも簡単にWebアプリケーションを作れてしまうから、自分たちの商売がなくなってしまうんじゃないか・・・という話だ。
個人的には「え?・・・それっていい話じゃないの?」と思ったんだけど。
・そもそもその面倒くさい仕事を一生やるつもりだったの?
・世の中の知的財産が増えるのならそれをこそ応援すべきでは?
今までアプリケーションの制作ってハードルが高かったから、何かを作ろうと思っていた人が作れずにいたかもしれない。これから世の中に役立つ仕組みがもっと出てくるかもしれない。いろんな人のアイデアが世の中にもっと出てくる。
世の中がよくなるんだとしたら、逆にこれから何かを作ろうとしている人を応援する側に回ればいいと思う。いくら簡単になったからって言っても、ハードルがまったくなくなったかといえばそうでもない。やっぱり初めての人にはハードルが高い。
時代に合わせてニーズを自分で考えていくべきじゃないのかな。昔の日本には自分の足で走って手紙を届ける「飛脚」がいた。今はいない。車社会という時代にマッチしないからだ。逆に車を使って手紙を届ける職業は現代に存在する。
要するに環境なんていうのは道具に過ぎないわけで、便利な道具ができたのならその道具を使って生きていけばいいんだと思う。車社会になりつつある時に、飛脚の仕事にこだわっていたら仕事はなくなると思う。
変革の時に保守的になるのか。それとも変化を受け入れていくのか。その姿勢によって自らの未来は大きく変わると思う。それにIT業界には大きなインパクトを与えながら、主流にならなかったモノの残骸がたくさんあるじゃないか。最初は鳴り物入りでジャーンとでてきて、いつの間にかなりを潜めるバズワード。
たとえば「Second Life」が出てきた時なんか、「これからはバーチャルリアリティの時代だ。あらゆるコンテンツは3D化され、ブラウザでインターネットの情報を閲覧するのは時代遅れになるだろう。早かれ遅かれWebデザイナーは転身を余儀なくされる。」なんて言われていたのにね。
実際にゃ、今、そんな世の中になってないじゃん。未だにインターネットと言えばWebサイト・ブログの閲覧が主流だ。
私が浅慮なのかも知れないが、もっと前向きに考えられないものかと思う。時代が変わるときに自分の足下を気にして、世間に逆行することをしてはいないだろうか。日本の政治でいえば既得権益にしがみつく道路族や郵政族みたいなもののようにも思える。
今後「Ext」が主流になっていくと思うのなら、その関連のノウハウをコアにして今後やっていくのもいいだろうし、違う技術畑を耕してみてもいいんだと思う。
繰り返しになるが、環境・・・もっと具体的にいえば開発環境はツールに過ぎない。そこにアイデアが乗らないと何の役にも立たない。誰でも使える大きなキャンバスがあって、誰でも使える色鉛筆が置いてあっても、絵を描く動機やイメージがなくては絵画にはならない。
アイデアをすぐに形にできるツールができたのなら、どうして「これからはアイデア力で勝負するぞ!」と思えないのだろう。ハケンだから・・・というワケではないだろうが、一生、誰かから命令された仕事を、やり続けるつもりなんだろうか?
正直ね、「Ext」なんて使わなくても、アイデア力のある人なら既存技術でも十分におもしろいモノを作っちゃいますよ。そういうことを心のどこかで知ってるくせに、気持ちで負けちゃつまんないと思う。
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