+1

2009年6月18日木曜日

一般論を裏返す

会社は仲良しクラブじゃない → 会社は仲良しクラブだ

いいんじゃないですかね。ある程度までは仲良しクラブで。もちろん、それが目的だ・・・とまではさすがにいえませんが。でも、昔の会社では社内運動会や社内旅行があったと聞きます。今の風潮から考えると、よっぽど仲良しクラブ的な空気感があったんじゃないかなと思いますよ。

能力主義だなんだかんだというのも否定はしないし、長所も多いとは思うんですけどね。でも、能力主義に徹して個人競争が激しくなった時に、ひとりぼっちになっちゃう人が増えちゃったんじゃないのかな。そして組織の中に愛がなくなっちゃった。

仕事でご一緒したことのある人事のオジサンが言ってました。

「昔はね、落ち込んでいるヤツが会社の中にいたらさ、誰ともなく飲みに誘い合ってさ、会社のメンバーぐるみで一緒に考えたり悩んだりしたもんだけど、今はそういう時代でもないのかなぁ。会社が仕事だけをする場所っていうのは寂しいねぇ。昔が全部いいってワケじゃないけどさ、最近の若いヤツはすぐに孤立しちゃうから見ててかわいそうだね。」

「この会社をやめちゃったら、大好きな仲間に会えなくなっちゃう。」って論理はビジネス的に正解じゃないかもしれないんだけど、離職率を下げたり、自分の方向性を見失っちゃったり・・・ってコトは少なくなるんじゃないのかな。

今は会社が個人の能力を交換可能なモノとして、簡単に売り買いするようになっちゃった。そして個人のほうも会社が交換可能になっちゃった。本当は、そこに信頼だの愛だのなんだのが残っていれば簡単に交換できる存在にはならないんじゃないのかな。

もちろんね、仕事をする集団だから厳しい状況もあったりするんだけど、ただ厳しいだけだったら、そのうち、仕事辞めちゃうと思うんだよね。厳しい状況でも信頼関係で結ばれているから、なんとか乗り越えようっていうモチベーションにつながるんじゃないかなと。

どれだけ理詰めで「ビジネス」を語ってみたところで、仕事を構成するのはひとりひとりの人間で、その人間には人生があって、感情があって、価値観がある。そもそも個性によって隔てられた別種の存在が手を組んで仕事をするためには、なんらかの接着剤が必要なんじゃないかな。

もちろん理想論なのは百も承知で、日々、会社の運営に苦心している経営者からしてみると、一笑に付される程度の話かも知れません。が、このままでは、何かマズイような気がしています。

理想と現実がかけ離れていることって珍しくなくて、だからこそ現実を理想に近づけていく価値があるんだと思います。馬鹿馬鹿しくても、まずは理想がないと走れないんじゃないだろうかとも思う今日この頃です。

0 件のコメント:

コメントを投稿