「趣味は仕事にしたくない」って話をよく聞く。これは田舎で「東京は人が住むところじゃない」という話と同じくらいによく聞くような気がする。
これ、ホントかよ?・・・って思う。
プロゴルファーになる人はゴルフ嫌いなのか?
プロ野球選手になる人は野球が嫌いなのか?
プロテニスプレイヤーはテニスが嫌いなのか?
そんなことないだろうと思う。
もちろん、純粋な趣味のように勝ち負けなんてどうでもいい・・・というわけにはいかない。負ければ収入を失うことになるから、プレイそのものを楽しみたい人という人には向かないと思う。
でも、やるからには勝ちたいじゃないか。負けてもいいや・・・なんて思うスポーツはやらない方がいい。だって最初からメンタルで負けているんだから。負けたら死ぬほど悔しいところまで本気でやるからいいんだと思う。
陶芸職人は本心では陶芸が嫌いなのか?
プロミュージシャンは音楽が嫌いなのか?
ジャーナリストは真実の追求が嫌いなのか?
・・・リスクを背負ってまで動いている人は、そんなことないような気がする。
ハケン現場では頻繁に人事異動が行われている。いろんな部署を体験させるという名目で、やや適材適所を度外視した形でプロパーさんがいろんな部署を回遊している。
前にお世話になったプロパーさんが、先日、ボソリとつぶやいた。
「配属になった部署でやりたい仕事がまったくみつからない。」
すごいなあと思った。それでもずっと働き続けるんだから。
たぶん世の中にはこういう辛抱強い人が多いんだろうなあと思う。特に入社が難しい企業に一度入ってしまったら、よっぽど勇気か独立心が強くなければ辞められないんだろうなあとか。だって普通に考えたらもったいない。
でも、無事にいけば定年までずっと自分をごまかしながら、本心では面白くもなんともないことをずっと続けていくことを想像すると、個人的には気が遠くなってしまう。無論、余計なお世話なんだけど。
確かに「趣味≠仕事」のケースは多いと思う。
でも「趣味≒楽しい≒仕事」であってもいいと思う。
「楽しくないことが仕事だ」という人は吐いて捨てるほどいる。
昔、自分たちで会社をやっていた時、ちょっとセレブっぽいスポーツクラブに通っていたことがある。そこにはビジネスオーナーや投資家、不動産屋、芸能人などがウヨウヨしていた。
たまに会員同士の話を聞いていると「ビジネス」の話を楽しそうにしていた。会社の「仕事」ではなくて、自分の意思で動かしている「ビジネス」。「仕事が趣味」っていう人が居酒屋なんかによくいるけど、それとはちょっと違う次元でビジネスを楽しんでいる人がいる事実に驚いた記憶がある。
今はそのスポーツクラブをやめてしまったけれど、その時の記憶は脳裏を離れない。
あの世界で生きていきたい。
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