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2011年4月24日日曜日

私は被災地に行かない!

悪夢のようなあの日から1ヶ月以上経った。それでも未だに原発問題、がれきの撤去、避難民の前途など、まだ先の見えない日々が続いている。このような状況の中で、日本人すべてが「自分にできること」を考えているようにみえる。

ジョイワークセンターのメンバーの中にも、ボランティアで被災地に行って何かの役に立ちたいと考えている人がいる。その気持ちはすばらしい。ただ、被災地に向かうとしたら怪我をせずに無事に帰ってきてほしい。

一方で、私は被災地に行かないことにしている。ごく私的なことでできない事情もあるが、それ以上に「自分にできること」を意識しているからでもある。この震災で多くの方々が亡くなった。復興には多くのマンパワーが必要だが、多くの可能性が失われた。

そんな中で、今、私にできることは、一人でも社会の戦力としてカウントされていない人たちにスキルと自信を身につけてもらい、少しでも優位な人材を社会に送り出すことだと思っている。これから日本は長期戦を迎える。

そして、今までは「生産>需要」だった社会が「生産<需要」の状況に突入する。これからは、より生産力を上げる工夫ができる人材が必要とされてくる。「障害者は黙って健常者の敷いたレールの上を走れ」というスタイルだけではいけない。

障害を持った人の中でもいろんな人たちがいる。自分から考えて解決策を考えられる「非・指示待ち人間」はたくさんいる。個性を無視して障害者というくくりで人材を判断すると、社会的ヒューマンリソースを見誤る。

誤解を恐れずに言えば、私がジョイワークセンターのメンバーに言いたいのは、「被災地にボランティアで行っている場合じゃないぞ!」ということだ。もちろん「素人が被災地に行っても役に立たない」なんていうつもりはない。誰だって最初は素人だ。

そういうことではなく、今、慣れない災害復興活動で貢献するよりも、長期にわたる人材不足に備えて「日本のマンパワー」になることに力を注いでほしいと思っているのだ。被災地に行って「なんとなく役に立った気分」になるよりも、将来を見据えた行動を取る方が難しい時期だと思う。

だから私は被災地に行かない。後方支援として日本の経済復興に役立てる行動をとっていく。正直なところ、状況が許せば私だって被災地に行きたい。そこで何かで役に立てれば嬉しいと思う。その誘惑よりも、これからの日本を考えて別の方法で役に立ちたいと思う。

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