+1

2011年4月15日金曜日

もったいない人材

ジョイワークセンターにはさまざまなメンバーがいる。そしていつか社会で活躍する日々を研鑽しながら過ごしている。運がいいのか多くの才能を秘めた方々に集まってもらえたのだが、実はちょっとした悩みがある。

それぞれのメンバーにいくらかの課題はあるにせよ、基本的に有能な方々が多いのだ。就労移行支援事業でなければ、いつまでも一緒に働きたいと思えるほどだ。しかし残念ながら就労移行支援のために与えられた期限は二年間。

仕事に対する責任感、改善に関する柔軟な思考、何より自分自身でスキルを身につける姿勢。さまざまな点で仕事を一緒にする仲間として大きな魅力がある。何よりも前向きで「希望」に対して一生懸命だ。それがまた心地よいのだ。

ジョイワークセンターではお客様から本物の仕事を受注している。これらについて私はほとんど苦労をしていない。ほとんどの仕事はメンバーの中で完結している。業務を遂行するのみならず、課題点を検討して改善するところまでやってのける。

たとえば私の留守中に、業務速度を改善するためにメンバーによる自主的なミーティングが開催され、そこから導かれた解決策を実行することに適したメンバーを選出。そこから見事なチームプレイであっという間に解決する。

彼らは「得意技の連携で人数以上のパフォーマンスを出す」ことのメリットを自然と体得しているように見える。これまで多くの見学者にお越しいただいたが「まるで会社のようですね」といわれる。全員が「自主的に働くことを楽しんでいる」とも。

そして最も耳にするのは「本当に障碍のある方々なんですか?」と。正直なところ、私にもよく分からない時がある。もっと厳密に説明するならば「障碍者は仕事ができない」という世の中の思い込みが私には分からなくなっている。

もちろんそういう私の感覚が、私の経験を体感していない人たちからどのように見えているかは忘れずに意識しておきたいと思っている。もしかすると「ひいき目」ということかもしれないし、私自身の「環境適応」と見られている可能性も高い。

それでも、私には彼らが役に立つ人材であることに自信がある。いずれ彼らは就職して旅立っていく。ただ私は「彼らの才能を大事にしてくれる企業」のみに彼らの人生を託したいと思っている。障碍者雇用のポイント稼ぎだけの企業には絶対に託せない。

彼らは私にとって大切な仲間だ。貴重な人生の時間を一緒に歩む価値のある仲間だ。そんな大切な仲間、そして仕事においても貴重な戦力だ。これが就労訓練でなかったらどれだけいいかと思うほどだ。それほどの戦力を社会に送り出すのだから、やはり彼らを大切にしてほしい。

彼らがいつか運命の企業に出会え、今、開花しかけている可能性を社会の中で輝かせる日を、私は心待ちにしている。その時に感じるであろう一抹の寂しさを予感しながら。

0 件のコメント:

コメントを投稿