米国Googleが2009年11月19日、開発中のOS「Google Chrome OS」のソースコードを、オープンソース・コミュニティ向けに公開した。必要なドキュメントなどもきっちり含まれているらしい。ブラウザでほとんどの仕事ができるようになる計画だ。
私もその流れが正しいと思っている。実際のところ、今でも私は効率化の恩恵をインターネットから受けている。たとえば名刺管理やドキュメント管理、スケジュール管理などはインターネットの向こう側でデータを一元管理できる「EverNote」を使っている。
日本語変換はATOKを使っているが、辞書学習内容を複数のPCで同期できる仕組みを活用している。これもインターネットを活用しており、自宅用のPCでも現場のPCでもモバイル用のPCでも同じ変換効率を実現できる。
そもそもATOK自体にしても、インターネットを活用して月額300円で(同時利用しない限り)10台までインストール可能なサービスを展開している。
ATOKの課金状況はインターネットを介して確認され、契約状態が正常であればATOKが稼働する仕組みだ。途中でATOKの新しいバージョンが発売されると自動的に最新のものがインストールされる。
ちなみに私は月額版のATOKを利用している。毎年3,600円の支払いにはなるが、毎年新しいバージョンが発表されるたびに迷わなくてよいところが最大のメリットだ。変換効率が毎年進化するのであればそれを享受した方がいいと思う。
もちろん、久しぶりのバージョンアップによる大幅進化の喜びは体験できなくなるが、別にメリットの享受を後ろ倒しする強力な理由はどこにもない。
話が少しそれてしまったが、このようにインターネットがなくては成立しないサービスが、最近ではかなり増えている。逆に言えばインターネットがあれば困らない時代になってきている。
さまざまなことがWebブラウザ上で実現できるようになってきている。だから最近販売されるPCでは、必ずしもWindowsが搭載されているわけではない。標準的機能を搭載するブラウザだけがあればいいのだから。
その一方で、Microsoftが「今後のWindowsの新規バージョンリリースは3年ごととする」との未確認情報もある。未確認であるものの、この情報にはいささか複雑な思いがある。
・新しいOSをリリースすると機能が増えて重くなる。
・OSを買い換えるたびに環境移行に手間がかかる。
・Microsoftのソフトウェアは比較的高価である。
というデメリットがありながら、常にハードウェアの買い換え需要を伸ばしてきた側面がある。つまりOSが重くなればなるほどハードウェアが売れたわけだ。
WindowsXPは発売開始から販売終了まで8年間動き続けた。つまり8年間はハードウェア買い換え需要はほとんどなかったといえる。数年後のWindowsXPサポート終了を見据えてしばらくは、OSの乗り換えでハードウェアの買い換え需要も伸びると思われる。
ただし、3年後に我々が新しいOSを必要としているかどうかは分からない。今でこそ高度な画像編集をはじめとする専門的な作業はローカル環境で行うことが最適だが、もしかするとそのような作業ですらネットワーク上でできるようになるのかもしれない。
数年後、すべてのサービスがネットワーク上で利用できるようになっているかもしれない、そして、安価な月額料金で利用する時代になっているかもしれない。
そうなってくると、OSの選択肢としてWindows以外とする方向性も現実的になってくるだろう。すると、またハードウェアの買い換え需要は今よりも少なくなるのだろうか?
おそらくその鍵は次世代ネットワークインフラの拡張(速度と網羅性の強化)にかかっていると思う。パソコンのあるところから仕事をするのではなく、ネットワークのあるところから仕事をするスタイルになる。
OSに依存しないテクノロジーの進歩は新しい選択肢を与えてくれている。あとはその選択肢を上手に活用した、新しい働き方を模索する時期に来ているのだろうと思う。
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