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2009年12月29日火曜日

個性で考える

2009年の11月中旬から始まった「即戦力ITコース」。12月25日に年内の講義が無事に終わった。考えてみれば、今年の初めから精神障碍の世界に猛烈にアプローチして、ほぼ自分の思い通りに運営できる「ITスキル」の講座を持てるようになった。

いや、別に「自分、よくがんばった」ということを書きたいワケじゃない。まぁ、もちろんがんばった点もあるんだけれど、それ以上に出会えた方々のご協力に感謝する一年だったと思う。運や縁にも恵まれていたと思う。で、今年は「走り始め」というところもあったけれど、来年は圧倒的な「発展」の年にしたい。

そんなワケで、とにもかくにも今年の講義の全6回が終了。そのうち2回はパソコンが間に合わなくて座学だったから、パソコンが使えるようになった状況から数えればたった4回。それでWord→Excel→Eメール→画像加工→ビジネスメール→ホームページ作成まで到達したのだからすごい・・・というか、だいぶ過酷だったかなと思う。

ただ、「一般的なパソコン教室」を期待していた受講生については、期待を裏切ってしまったかもしれない。でも、申し訳ないんだけど「テキストがあって第一章から最終章まで丁寧に教えてくれる講座」なんて最初からやるつもりはなかった。だったら、そのあたりのパソコン教室に通っていただきたい。そういう目的なら、ちょっとネットで調べればいくらでもある。

「即戦力ITコース」という講座名に注目してほしい。「パソコンを使えるようにする」ことが目的ではなく、「ITエンジニアとしてやっていける」ことが最終目的の講座だ。もちろん、その課程として「パソコンが使える」ようになるというだけの話だ。

そういう意味で最終的な目標は高いのだ。もっとも、そこに到達するまでの実践では「低いハードルを何度も飛ぶ」ということを繰り返すわけだが。

だから「一般的なパソコン教室」と思われたくはない。ITエンジニアを目指した人が、どうやってその業界に入っていったのか・・・という入り口を教えるのが本コースのミッションだ。

だから、最初は世の中にある幅広い技術を「知る」ことが大事だ。「学ぶ」ではなく「知る」こと。その中で自分にフィットした分野があったとすれば、「知る」→「もっと知りたい」→「学ぶ」に進化するわけだ。

私にできることとできないことは明確だ。「知る」→「もっと知りたい」→「学ぶ」という部分において、どのようにすれば効率的に結論に近づけるのか・・・という方法なら教えることができる。

でも「もっと知りたい」という気持ちだけは私にはどうすることもできない。湧き上がってくる好奇心がなくては「もっと知りたい」には到達できないのだ。

だから「座っていれば最初から最後まで教えてもらえる」なんて、なまっちょろいコトを言っちゃいけない。「教えてもらう」という受け身の姿勢なら、最初からやめておいた方がいいと思う。

私は正直なところ「ITの講師」なんかではない。どちらかというとITエンジニアの世界の入り口まで導くコーディネーターだと思っている。

だから「些末な技術」なんてほとんど教えない。その代わり徹底的に「自己解決力」を高めることに力を入れている。そして「好奇心」の広がりを体験してもらうことにも主眼をおいている。

猛スピードで講義をすすめた理由もそこにあるのだ。WordやExcelを短期間に徹底的に学ぶ必要なんてまったくない。私だったら眠くなって寝ると思う。だって決まり切った教科書というレールの上を走らされていたら、自分自身の動機が希薄になっちゃうから。

そうじゃないんだ。最終的には「好奇心」というエネルギーが一番大事なのだ。重複になってしまうが、こればっかりは私にどうすることもできない。受講生自身がどうにかしなくちゃいけないことなのだ。

だから私は「好奇心」を探すためにいろんなフィールドに受講生を連れ出す。そこで気に入ったフィールドを見つけて「好奇心」を高めてほしい。その「好奇心」の後に「好奇心の欲求を満たすいろんな方法」を教えるという方針だ。

全6回の講義を急ぎ足で駆け抜けたが、実はおもしろいことに気がついている。ExcelやWordでつまずいてへこんでいた人が、画像の加工編集となると妙に熱中したりしている。これこそが私の狙いだ。

みんな一律同じスキルを身につける必要なんて全くない。まずは自分の好きなフィールドを見つけること。そして「自らの好奇心」でさらに「できること」を増やしていくこと。そしてそれを仲間で共有すること。

仲間を引っ張ってあげたり、仲間に引っ張ってもらったりしながら、お互いの苦手分野を埋め合っていく。これが社会の仕組みなんだと思う。この本質に気づくことができれば、自然と社会で働くことができるようになるんだと思う。

どうせ働くなら楽しく働いた方がいい。楽しくなくては何事も長続きなんてしないから。そういう意味で、私の講義に「つらいけど楽しい」とついてきてくれる受講生には本当に感謝している。彼らを絶対に幸せにしたい。

2 件のコメント:

  1. 先生やってたんですか…知りませんでした。。。

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  2. KYOさん。
    実はそうだったんですよー。
    いつの間に?・・・って感じだと思いますが。
    昨年くらいからいろいろ動いてましたヨ。

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