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2009年11月2日月曜日

脱・貧乏な福祉

いわゆる「福祉=貧乏」という構図。
これ、なんとかしないといけないんじゃないかなと思うんですよ。
「福祉は清貧じゃないとできない」という発想はどうなんだろう。
そんな視点で支援活動を始めると、必ずお金の壁にぶつかります。

http://www.news.janjan.jp/area/0810/0810010483/1.php

活動のために避けては通れないのが、やっぱりお金なんですよ。
せっかくいい活動をしようとしても長続きは難しいと思います。
また、活動の手段と目的がひっくり返りやすいことも残念です。
就労支援が目的なのに運営だけでいっぱいいっぱいだとかね。

決して、ボランティア精神を貶めるわけでは決してありません。
という前置きをしないと、誤解されそうな話をあえて書きます。

精神障碍者の就労支援ボランティアが苦境に立っていたそうです。
就労支援の場として喫茶店を運営しているボランティア団体です。
すごく残念だなと思うと同時に、当たり前の結果だとも思います。
なぜ、存続性が薄い「ボランティア」にこだわるんでしょうか?

いっそ、営利法人として勝負をかけてもいいと思うんですよね。
そして、大手のコーヒー会社に働きかけてもいいわけなんですよ。
「フォローは我々がやるので特例子会社で始めませんか?」とか。

UCCとかに特例子会社があるんだけど、店はたぶん出してません。
なら「特例子会社でカフェを作りましょうよ」と持ちかけるとか。

それから「ボランティア」に拒否反応を示す層もいるんですよね。
あんまり「ボランティア」を強調しないほうがいいとも思います。
「福祉」すらも看板に出さないくらいがちょうどいいと思います。

なんだか不思議といい雰囲気で、いいコーヒーを出してくれる店。

で、よくよく聞いてみたら、
「え?・・・ここのお店って、本当は就労支援の店なんですか?」
って驚かれるくらいがカッコいいと思うんですよ。

最初っから、
「精神障碍の就労支援なんで、ダメなコトがあってもスミマセン」
というスタンスじゃ、同じ飲食業への就労も難しい気がします。
それに自分が働けば働くほど迷惑をかける環境ってツライですよ。
気疲れしやすい当事者に余計な気苦労をかける環境って微妙です。

社会に叩かれたっていいから、商売っ気を出せばいいと思います。
たとえばテレビ局のツテをたどって、番組作りの提案をするとかね。
スゴ腕の喫茶店の仕掛け人とかを入れてもらって、それで店を出す。
で、「このステキな店は就労支援のための店なんですよ」ってオチ。

制作したテレビ局も仕掛け人も、いいイメージを獲得できますよね。
さらにテレビ放送で店が紹介されれば、人が来るかもしれません。

もちろん「障碍者を食い物にして稼いでいる」という批判は受ける。
そんな批判は甘んじて受ければいいんじゃないでしょうか。
「それがどうした!」って。

たとえば、派遣会社は非正規社員を食い物にして稼いでいます。
たとえば、老人ホームは老人を食い物にして稼いでいます。
で、就労支援の組織は障碍者を食い物にして稼いでいます。
単なる言い方の問題であって、助かる人がいればいいんです。

福祉だからって、なんだか萎縮しちゃってるような気がします。
助成金を貰いつつお金を稼ぎすぎたら、何か言われそうだとか。
助成金を貰っても不利な状況で努力するんだから、いいんですよ。

「それは我々の税金だろ!」

その通りです。その税金を使って労働力を世に送り込むんですよ。
送り込めば送り込むほど、生活保護の支給比率は減るんですよ。
長い目で見たら、そっちの方がよっぽど世の中のためになります。
税金を世の中の役立てて、無駄に罪悪感なんて必要ありません。

福祉業界が貧乏くさいと、お金を持った人が近寄りづらいです。
ちゃんとビジネスになることが分かってこそ活性化するんです。
そこを勘違いしていると、いつまでたっても貧民層のままです。

たいへん生意気なことを書いています。すみません。
でも、私はこの「今の常識」のサイクルを変えたいんです。
というか、私自身「福祉」をやるつもりはないんですけど。

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