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2012年9月4日火曜日

「情報発信」だけの限界

最近はなんでもかんでもネットを利用して、積極的に情報発信しようという機運が高まっているけど、情報発信だけに偏ってはいけないんじゃないかな。特に、ベンチャーであったり、個人事業主の場合、「自分の存在を認識してもらわないといけない」わけだけど、それでも「情報発信だけ」じゃ厳しいよね……と最近思うんです。

どういうことかといえば、「中身が伴っていなければ言葉の無駄撃ち」に過ぎないっていうこと。たとえば、「○○であるべきだ」という主張があったとして、それを訴え続けることも重要ではあるものの、いつまでたっても「訴え続けるだけ」では、ちっとも前に進みやしないわけですね。

「主張は分かったけど、それで実際に試したの?」

ってこと。主張してばかりじゃなくて、早く実行しろよ、早く検証しろよ、そしてその結果を報告しろよ……ってことなんですよね。そうでなくてはタダの屁理屈になっちゃうわけです。そんなことをしていては、自分自身の時間ももったいないし、そんな状況で書いた文章を読まされる方も等しく時間がもったいないわけです。

ちょっと話がそれますが、昔、ハマらないように十分に注意しながら「自己啓発系セミナー」に足を運んだことがありました。いくつか種類の違うセミナーに参加してみたんですが、おもしろい現象が見られるんですよね。講演が終わって、交流会みたいな時間になると顔見知りの常連さん同士が挨拶してるんです。

「いや、またお会いしましたね」
「先日はどうも、○○さんも勉強熱心ですねえ」
「いえいえ、まだまだ。今度は□□先生が講演されるセミナーに参加するんです」
「へえ、□□先生ですか、また私も聞いてみたいですね」
「ええ、なんか、最近、モチベーションが上がるセミナーが多くて忙しいですよー」

セミナーに参加したてのころ、私はそういう人たちを見て、「意識の高い人たちはやっぱり違うんだなー」なんて平和的な勘違いをしていたわけですが、何種類かのセミナーでそういうシーンを見ている内にものすごい違和感が湧きだしてきたんです。

「なんで、この人たち、こんなにセミナーに参加ばっかりしていられるんだろ?」
……って。

いや、もちろん、モチベーションが高くなるのはいいことですよ。ですけど、高いモチベーションを仕事に活かすんじゃなくて、その高いモチベーションをセミナー参加に使っているわけです。つまり、「セミナーを受ける」ということ自体で満足しているようにも思えます。

知り合いで「自己啓発セミナーマニア」がいるわけですが、その人を知ってから数年。セミナーへの参加は相変わらずのようですが、未だに何もアクションを起こしていないようです。セミナーに参加すればするほど、自分の未熟さが見えてきて、さらに他のセミナーを受けないと……という気持ちになるんだそうな。

いくら講師が「この講演を聞いて満足していたらいけませんよ。大事なことはとにかく実行するということです!」と熱弁をふるっていても、「そうか、実行が大切なんだよな。よし、それじゃ、とにかく熱が冷めないうちに他のセミナーの参加申し込みをしよう!」と残念な方向に転がっちゃうようです。

ネット上での持論展開もこれと同じで、「実行」と「検証」を伴わずに、ただ主張しているじゃダメなんだと思います。自分自身にノルマを課して、たいした成果もないのに内容のない文章で空白を埋めることには意味がないと思うのです。情報発信に躍起になるのではなく、たまには『黙って成果を出す』ことが大事なのでしょう。

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