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2013年6月16日日曜日

起業家に最も必要な管理とは

◆タスクよりモチベーション

デジタル文化の発達により、時間内に処理しなければならない行動の密度が凝縮されている昨今、タスク管理に関するコンテンツは増え続けています。タスクの細分化、タスクの優先順位、タスクの納期管理……さまざまなツールがあり、さまざまな運用法がありますが、それだけで解決しない課題もあります。

タスク管理の方法をどれだけ知っても、知識だけでタスク管理が機能するというわけではありません。タスク管理の最も基本的な側面は「タスクリスト」の作成です。しかし、これを作成して並べるだけでなんとかなるのかといえば、そうはなりません。「実行したい」というエネルギーが必要不可欠なのです。

多くの「タスク管理」はモチベーションが十分にあることが前提になっています。やりたくない人に無理矢理やらせても無駄が多いので、それは当然のことなのですが、同じ人でも体調の波によってモチベーションの不調はやってきます。そういう時に乗り越えるノウハウを知っておくことは重要だと思います。


◆その願望はリアルなのか

比較的「雇われ仕事」で発生するタスクのモチベーションはシンプルです。なぜならば、やらなければ必ず何らかのペナルティがあり、後で困ってしまうことになるのでやらざるを得ないのです。問題は、自分で何かのプロジェクトを推進する時などで、どの選択肢も同じ程度に実現性に乏しい気がする時です。

どのタスクをやっても大した成果が出なさそうに感じる時、脳は何かの決断や選択を拒絶するようです。「やっても無駄かも」と思えるタスクに気持ちよく着手することは案外難しいのです。もちろん悩まずに、その「やっても無駄かも」をひとつひとつ根気強く潰すのが合理的なのですが、そうもいきません。

よく、起業に関する本を読んでいると、たいていはこのフレーズがでてきます。「成功したときのイメージを心に描こう」と。結局「夢」が大切なんですか……と軽視しがちですが、エネルギーが低下してきた時、最後にモノをいうのは自分の中にある「理想」をどれくらい本気でイメージできるかに尽きます。


◆非現実イメージが邪魔をする

非現実化イメージというのは恐ろしいモノです。何かを始める時には周囲から「できるわけないさ」といわれる言葉を背にして奮起するのですが、長期戦になってきて成果が上がっていないと、無意識が「簡単にできるわけないよなあ」に変わってしまいます。信じていない目標に向かって惰性で進むだけです。

自分自身が「現実化を信じていない夢」に向かって歩き続けるのは、ただツライだけです。開業当時の自分自身の気持ちに背を向けて歩き続けられるわけがないのです。事業を動かしていく人に必要なことは、自分の計画をできるだけ多くの人に宣言することだと思います。厳しい相手ほど効果があるでしょう。

中小企業の経営者が組織するコミュニティが存在する理由が、実は私にはよく分かっていなかったのですが、最近になって価値が分かってきたような気がします。それは自分自身の心のあり方を「自分自身に監視させる」モチベーションを得るためではないでしょうか。ごまかして生きていてはいけないのです。

2013年5月26日日曜日

ネガティブの使い方

◆ネガティブ=悪?

「そんなにネガティブになっちゃだめだよ」というように、ネガティブという言葉は忌避されるイメージがあります。そもそも「なっちゃだめだよ」という言葉自体も否定形でネガティブな響きがあります。確かに話をしていて「これはダメだと思う」とか「やっても無駄だよ」という会話にはウンザリします。

ネガティブといえば、昔から伝わる言葉で「悪事千里を走る」というものがあります。つまり、ネガティブな話題は短い時間であっという間に伝達されてしまうという意味です。今のようなデジタルネットワーク時代ではなかった頃からの言葉だと考えると、ネガティブな情報のエネルギーはすごいようです。

ただ、私は「ネガティブ情報こそが人類を現在に至るまで生存させてきた重要な要素」だと思っています。たとえば次のような状況で優先すべき情報はどちらでしょうか?……「もう少し前進すると生存に必要な泉がある」という情報と、「もう少し前進すると猛毒を持った蛇の巣がある」という情報です。


◆寝ている頭をたたき起こせ

たいていの場合、人間が生きていくために必要な情報の優先度は「ポジティブ情報」よりも「ネガティブ情報」の方が高いことが普通です。「よく食べる好きな食べ物はなんですか?」よりも、アレルギー反応も含めて「避けている嫌いな食べ物はありますか?」と聞いた方が生存に関する安全性は高まります。

このように、ネガティブなイメージは生存本能に近いところに存在しているので、ポジティブなイメージよりも反応が早いことが多いのです。たとえば、「あなたの未来の夢はなんですか?」と聞くと「特にないです」と答える人が多いのですが、「今、不満はありますか?」と聞くと即答できる人は増えます。

一時期「好き」の反対語は「嫌い」ではなく「無関心」だという言葉をよく聞きましたが、「問題意識の有無」というのもこれと同じで、基本的に「不満点」と「改善点」は対をなしています。不満がなければ便利な自動車やコンピュータは生まれなかったはずです。多くの発展は不満を基盤にしています。


◆黒を白にするということ

ネガティブなところに気がつく人は、生きているだけで「なんとかしなければならないポイント」を探し出すことに長けています。不満を不満のままにするのではなく、それを「どうすれば解決するのか」というところまで追求していくことができれば、より幸せな日々を送ることができるようになるはずです。

ネガティブなポイントの中には変えることが難しいものもあります。たとえば、「苦手な相手の性格を変える」ということは不可能に近いでしょう。しかし、「何が苦手なのか」、そして「そう思うのはなぜか」と考えていき、「相手の性格の長所にはならないのか?」と、異なった解釈を導くこともできます。

そんなに改善点の宝庫になりうる「ネガティブな人」なのですが、やはり人間づきあいをする上では気をつけるべき点があります。それは「どうせ変わらないに決まっている」という思い込みを捨てることです。「どうやったら変わるのか」を考えられるようになれば、おそらく人間関係もラクになるでしょう。

2013年5月19日日曜日

ワールドカフェって何?


◆集団ブレーンストーミング

「ワールドカフェ」という言葉を聞いたことがありますか?……私が理解している範囲で説明すると、「いろんな人の考え方=客」が「いろんな話題を蓄積したテーブル=店」をハシゴしながら、アイデアを特定のベクトルに縛られずに育てていく「ブレーンストーミングの方法」というイメージです。

ワールドカフェの簡単な進め方です。

(1)開始時の気持ちや状況を各自表明する
(2)部屋全体のテーマを決める
(3)部屋に用意した複数のテーブルに4人~5人が座る
(4)テーマについて自由に話し合う
(5)15分程度で同じ人とかぶらないようテーブルを移動する
 ※ホストだけは残ります
(6)新しいテーブルでまた(4)→(5)を繰り返す
(7)1~2時間経ったら最後のチームでまとめを発表する
(8)終了時の気持ちや状況を各自表明する

このような形でワールドカフェは進んでいきます。なお、各テーブルには大きな模造紙が置いてあり、メモを書いても絵を描いてもOKです。


◆守っておくべきルール

この「ワールドカフェ」にはルールがあります。

(1)一切の否定をしないこと
(2)何も決めないこと
(3)一人だけで延々と話さないこと

私が知っているルールはこの3つですが、「ワールドカフェ」はいろいろな場所で行われていて、レギュレーションにもいろいろと派生ルールがあるようです。

このルールを守った上で「ワールドカフェ」に参加すると、次のようなメリットが得られます。「社会的に接点のない人と同じテーマについて語れる」=「自分が生きている業界での常識とは違う視点に触れられる」ということです。「常識」を疑わなくても「自動的」にいろんな気づきを得られます。

事前に各テーブルの「ホスト」を決めておき、その人は同じテーブルにとどまることになります。それはそのテーブルで話し合われたことを、他のテーブルからやってきた「新顔さん」に語り継ぐ「店主」のような役割になります。ただ、どうしてもこの「店主」の力量が議論の質に影響する要素になります。


◆ストレスになることも?

「ワールドカフェ」を上手に活用すれば、あまり苦労せず自分一人では気づけなかったような発想に出会えることもありますが、参加者に恵まれるかどうかによってはストレスフルな状況を生むことがあります。たとえば自分が賛同できないアイデアを賞賛しなくてはならない状況も生まれてきます。

また、視点や価値観が大きく違いすぎることで「テーマから逸脱している」かのように思える状況を体験することもあります。そういうストレスの多くは「否定しない」というルールが引き起こすものですが、そういう場合の解決案があります。それは「なぜ、その話をするのかを聞く」という行動です。

「私が聞きたいのはそんな話ではない!」という対決姿勢になるのではなく、「なぜその話をするのか?」「それはどういう思想から生まれた行動なのか?」を知ることは「自分自身の思考傾向」と「他者の思考傾向」の相対位置を知ることに役立ちます。見えなかった自分の「考え方のクセ」が見えます。


◆ワールドカフェの中の人に聞きました

私自身はワールドカフェそのものに直接関わったことがないので、まだまだ理解は浅い部分があります。そこで、私が思ったことをワールドカフェを企画することの多い人にぶつけてみました。

(1)ワールドカフェの場で『何も決めない』のはなぜですか?

★オープンで創造性に富んだ会話ができる場を創るためです。
→ぜひ、ほかの参加者の異なる体験や創造的な対話を楽しんでください。

(2)話題が明らかにテーマを逸脱している時はどうすればいいですか?

★なぜ、その話題を対話するのかについて、質問をするとよいでしょう。
→その人のあなたとの異なる背景を楽しむことができます。

(3)ワールドカフェに参加して得られるものはなんですか?

★いろいろな参加者の異なる体験を楽しんだり、創造的な対話を楽しむことです。
→共有したところが見いだせると、多くの共感が得られ、新たな第一歩が創造できま
す。

(4)否定をしないというルールはなぜあるのですか?

★共有化を目指すから。つまり、共有部分の探求を行うからです。
良い悪いの判断や、強い弱い、上だ下だ、競い合いを目的とするからではないからで
す。

(5)模造紙には何を書けばいいのですか?

★決まりはありません。発表するときのメモ程度でよいでしょう。
→ですから、描くことでも良いですよ。絵など。

(6)人見知りで一言目に詰まる人は最初にどうすればいいですか?

★「私は人見知りです。」と、最初に発表されると良いでしょう。
→チェックインや自己紹介のときに、最初に話してしまいましょう。

(7)ワールドカフェが終わった後の効果的な活用例はあるのですか?

★気づきを有効活用していただきたいなと思います。
→自分では気づき得ない新しい気づきを持ち帰ってください。
→そして、新しい未来を創造してください。

(8)ずばりワールドカフェに参加することによる効能はなんですか?
★いろいろな参加者の異なる体験や創造的な対話が楽しめることです。
→そして、自分では気づき得ない新しい気づきが得られるところです。


さて、ワールドカフェにご興味を持った方はぜひ体験してみましょう。ちょっと違和感があるかも知れませんが、新しい発想は新しい刺激からやってくるのです。

2013年5月12日日曜日

すぐにタスクやりたい病

◆いつやるの?……今でしょ!

何かのタスクをこなしているとき、突如として「ひらめき」が降りてくることがあります。もう、それまでやっていたタスクに比べれば超新星のように光り輝いて、一刻も早く着手しなければ「人生の時間の損失」と思えるほどの魅力です。これ、いつやるんですか!?……と聞かれたらどう答えるべきですか?

さあ、ご一緒に。「今でしょ!」……と。そう、「今」というキーワードはものすごく説得力があります。「過去よりも今」を大事にすべきだし、「未来に繋がっているのが今」だと考えると、うかうかしていられない気分になります。今を無駄にするか有益なモノにするか……それは今の決断次第なのです。

考えれば考えるほど、ものすごい勢いで「やらなくちゃ」という気持ちが高ぶってきます。まるで神様からの啓示を受け取ったかのように、頭の中は使命感でいっぱいです。「なぜこれをやらずにいられようか!」という状況になっているかもしれません。でも、ちょっと落ち着いて待ってみてください。

◆鉄は熱いうちに打たないと

「いやいやいやいや、何を言っているんだ。今、落ち着いて待ってしまったら、今の熱い思いが冷めてしまうじゃないか!」と言いたくなっていることでしょう。その気持ちはよく分かります。人は経過時間とともにやりたいことが変わっていきます。気分が冷めてしまって結果的にできない経験もあります。

実はそこにこそ大きな問題が潜んでいるのです。人間が合理的判断をする上で陥ってしまうのが「最も優先度の高いところから始めよう!」と思うことです。「優先度の高い仕事」をやるのに反論の余地はないでしょう。しかし、問題はこういう心理状態では優先度全体が見えていなくなっていることです。

すぐにやらないといけないタスクのことを「ホットリスト」なんて呼ぶことがあります。さてここで問題です。焼きたてのパンとしばらく置いておいたパンはどちらが熱いでしょうか?……決まり切っていますよね。焼きたてのパンの方が熱いのです。そして「タスクも新しいモノこそ熱い」と思いがちです。

◆タスクの賞味期限を考える

すぐにやらないといけないと思う「危機感」には理由があります。ひとつめは「すぐにやらないと忘れてしまう」という理由で、ふたつめは「やりたいと思う気持ちがしぼんでしまう」ということです。物事は忘れてしまったら実行不可能ですし、また、気持ちが乗らなくなっても進めることが難しいのです。

ひとつめの問題を解決する方法として、「思いついた瞬間にメモを取っておく」という手段があります。そしてこの方法を使うと忘れにくいことも簡単に分かります。それでも焦る理由は「放っておいたらやる気がなくなってしまう」ということです。潜在的にはこちらの理由の方が大きいはずなのです。

しかし、重要だと思えるタスクがたくさんある中で「時間をおいたら重要性が落ちる」タスクを最優先させるべきでしょうか。おそらく違います。逆に「時間をおいても重要性が変わらなかった」タスクを優先すべきです。つまり新鮮なタスクほど時間をおく必要性があるのです。ちゃんと見極めるために。

2013年5月9日木曜日

私の永遠の敵「調査タスク」


◆「調査」がタスクをせき止める

私はタスク管理にExcelベースのマクロアプリで「TaskChute2」を利用しています。このツールの使い方としてユニークだと思うのが、「タスクを定型化する」という考え方です。そして、その定型化ができるまではひたすら「実行タスクを記録する」ことが推奨されています。

これは「二度あることは三度ある」的な発想で、一度行った行動をテンプレート化することになるので、タスクを記録して適切なレビューを実施すれば効率化が加速するというわけです。しかし、実際にこれを業務で実践しようとすると、なかなかうまくいかない部分もでてきます。

特に「調査しないと前に進めない」というタスクが多いと、タスクの管理と実行が鈍くなりやすい傾向があるように思います。たとえば何かを便利にする仕組みを開発しようとすると、その仕組みの機能要素が実際に実現可能なのかどうかを確認する必要があります。

【参考例1】Aの機能が実現できるかどうかを調べてみた
 (1) Aの機能を実現させることは可能
  (2) ただし、Aの機能を使うためにはBとCの環境準備が必要

【参考例2】Aの機能が実現できた場合に必要となるタスクを事前検討した
 (3) Aの機能が実現したときに事前に考慮しておくことのリストを作っておく
  (4) Aの機能を実現するための仕組みの中で選択肢が定義済みだった

この参考例だけでもタスク見積もりの難しさがいくつか見えてきます。


◆タスクが現れたり消滅したり

(1)先ほどの参考例のひとつめの壁は、Aの機能を実現させる方法のバリエーションを調べるコストです。特に前例があまりないような仕組みを作ろうとした場合、調査しようとしてもネタそのものの母数が著しく少ない可能性があります。ネタが著しく少ない場合、それを探し当てるだけでも予測時間を越えてしまうでしょう。

この「実際に調べてみるまで分からない」という不確定要素がタスクの根本にある場合、全体のスケジュールを大きく揺るがすことになります。

(2)運良くいくつかのネタが見つかった場合でも、そこから細かく派生する調査タスクが生まれることがあります。先ほどの場合では、Aの機能を実現させるためにBとCという前提条件を調査する必要が発生しています。場合によってはこれ以上出ることもありますし、Aの選択肢が複数ある場合はさらに広がる可能性があります。

こういう「開けてみたらすごいことになっていた」というケースもよく遭遇します。この派生タスクには費用調査もセットでつくことがあります。

(3)実際にどのような仕組みを使ってAの機能を実現するか分かっていない状態の中でも、それなりに思いつける内容はあって、プランニングの時点でできるだけ「リストアップ」なり「洗い出し」なりをしたくなるわけですが、経験が少ない領域であればあるほどフリーハンドで絵を描くが如くリストがふくれあがることもあります。

たいていの場合、要件定義を細かくすればするほど、現実と理想がかけ離れていた時の時間的コストがふくれあがってきます。

(4)そして残念なことに「具体的な選択肢」を見つけた時点で、せっかく(3)でいろいろ考えたリストアップが無駄になってしまうこともあります。基本的にプランニング時点で道筋をクリアにできることが好ましいのですが、こういうことはよく発生しがちだと思います。

もちろん最初から(4)の事実が分かっていれば無駄なリストアップのタスクは不要だったわけですが、まぁ、覆水は盆に返ってきません。

私は基本的に「プランニングでなんとかしたい派」なのですが、こういうことがあると「実際に走ってみないと何も始まらないよね派」に同意せざるを得なくなってしまいます。

しかし、ここで愚痴を言っていても仕方がありません。私なりにこの問題の解決方法を考えてみました。もちろん他にもいいノウハウがあるかもしれませんが、まずは私が考えた方法をまとめておきたいと思います。実はまだ検証していないアイデアもあるので「机上の空論」なのですが、私は記憶力に不安があります。

霞のように消えてしまう前にここに書き残しておこうと思います。実際に試してみてどうだったこうだった……というノウハウをお持ちの方、コメントをお待ちしております。


◆小刻みな記録と確認

「Taskchute2」でタスク管理を行う場合、本質的に「はじめての案件」は「タスク記録」が大前提になります。私はこういう場合、記録するタスク名として「Aの機能の調査(120分)」と大雑把に書いてしまいがちです。そして最悪なことに、他の割込みタスクに身体と頭を持って行かれた後に、しれっと「Aの機能の調査(120分)」というタスク名を追加してしまうことがあります。

でもこの方法だと後からレビューしたときに何の役にも立たないことに愕然とします。結果として「Aの調査のタスクには480分かかったんだなあ」という事実を知ることはできますが、一体、どういう経緯でそのようになってしまったのか……というトラッキング(追跡調査)ができないのです。

そして新しい調査案件が発生するたびに、同じように不幸な「使途不明タスク」や「見積もり不能タスク」が生まれてしまいます。大雑把なタスク記録は「ああ、調査って大変なんだな」とか「ああ、調査タスクって見積もりできないんだな」という悲しい後ろ向きの経験知に直面します。

そこで試してみたいのが、「細分化記録」です。これ、「Taskchute2」の紹介記事などでスマートに「プランニングして、あとはタスクを淡々と実行!」とか「『思考』と『実行』を分けるとこんなに快適!」というハッピーストーリーを知っていると、すんごくストレスがかかります。

具体的には「Aの機能の調査」というタスク名を複製していって、タスク名に情報追加をしていくんです。「Aの機能の調査→前提環境(30分)」とか「Aの機能の調査→プラグイン調査→費用(15分)」とか。ただ、海外の技術の場合、たまに「どこの国だよ?」というサイトに行き着いて途方に暮れることもあります。

ただ、きっちりと記録することができれば、自分の調査の「パターン」というか「クセ」が分かるかもしれません。全体的に「どーでもいい領域の調査」に時間をかけているかもしれません。なので記録をしっかり残して、かつ、きっちりと「レビュー」という名の反省会をやっておけば、パターン解析によって調査行動の無駄が減るかも知れません。


◆小さめのマイルストーン設定

先ほどの方法、実は本当にやろうと試みたことはあるのですが、納期が迫っていたり他のタスクとの兼ね合いで、結局「仕方ない、どんぶり勘定でタスク名を付けておくか」となってしまい、最後までできた試しがありません。ひとつ疑問が湧くたびに調査タスクを追加することは想像以上にストレスフルです。タスク管理ができていない自分に対するストレスなんでしょうけれど。

特に派生した調査アイテムリストが10項目を越えてしまうと、一気にモチベーションが下がります。たいてい、そういう時はリストを全部出し切ったわけではなく、リストが増加傾向の過程にあることも珍しくありません。そこで二つ目の方法です。あんまりスッキリしないといえばそうなのですが、こちらはやや現実的です。

それは、タスクの目標を「小さなマイルストーン」に区切っていくというやり方です。たいていのタスクには「相談する」というフェーズがあります。企業組織で働いている場合は上司がいますし、独立起業している場合は仕事のパートナーがいます。それが場合によってはお客様であることもあります。

「ここで○○を調査しようとすると、スケジュールがこれくらい押しそうです」という相談ができるのなら、そういう小さいマイルストーンごとに確認していくのがいいのかも知れません。もちろん、ここにも落とし穴があって、「いつまでたってもズルズルと先に進めない」とか「調査の深みにはまっていく」とか、挙げ句の果てには「見当違い」だったりするリスクもあります。

また、「あんたらはプロなんだから、わたしらに相談するんじゃなくて、自分で解決してください!」と言われることもあるでしょう。このあたり、どちらの選択肢にもツライ局面があるといえばあります。上司の場合でもそうですね。「ったく、なんだよ、いちいちいちいち、そんなこと自分で考えろよな……」という表情に遭遇するかもしれません。

ま、でも、ひとりでいろんな判断を抱え込みすぎて、スケジュール的に致命的で取り返しのつかない事態に直面するよりは、小刻みにアラートを出していく方がプロジェクトの安定性は上がると思います。自分の評価が下がりそうだという不安はあるかもしれませんが、まあ、そこは実際に甘受するしかないのかもしれません。自分の未熟を恥じるしかありません。


◆「やるか」「やらないか」を時間で切る

自分自身の裁量でプロジェクトを進行させている場合、最初に「閾値(しきいち:物事を判断するための指標)」を決めておくというのも重要なポイントかもしれません。たとえば「○○の実現方法をリストアップする1(30分)」、「○○の実現方法をリストアップする2(30分)」、「○○の実現方法をリストアップする3(30分)」というタスクを先に「Taskchute2」に放り込んでおいて、その決めておいたスロット以上は使わないと決めておくんです。

最良の場合、90分以内に3つの具体案が3つのスロットに収まっているはずです。この場合、ひとつのスロットにかけていい時間は30分だけです。30分を越えそうになった時には、「Taskchute2」のコメント欄に参照先URLを貼って「次いってみよう!」と、強制的に進んでしまうわけです。実際にやってみるとおそらくスッキリしないに決まっているのだけど、利用できる時間が決まっている場合、こうするしかないのかなと思います。

今回の参考例の場合、「Aの機能を実現するために……」しか書いていませんが、実際に仕組みを作ろうとした場合、きっとそれ以外の要件定義が複数あるはずです。細かいところを「未解決」にしたまま進むのは気持ちが悪いし、そもそも達成感が満たされないかもしれませんが、すくなくとも「それぞれの要件定義」にかかる「調査コスト」がざっくりと分かるはずです。そして、まずは「調査コストが分かる」ということが正しいのかも知れません。

すると、「調査コスト」と「機能の重要性」のバランスを踏まえた上で「本当にこの機能は時間とリスクをかけてまで必要なものなのだろうか?」という本質的な判断ができるかも知れません。たまに見かけるのは「見かけ上だけのどうでもいい機能」が「もうちょっとでできそうだから」という理由で「作業時間がズルズルと伸びていく」という現象です。これはどうにも悲劇ですが、開発現場で冷静さを失うと陥りがちなトラップです。開発の最前線にいないマネージャの立場はとても大切です。

ちなみに、全部の「調査コスト」がまんべんなく高コストだとしたならば、そもそもその仕組みを開発するスキルや技術が「致命的にない」ということかもしれません。そういう場合は悔しいことですが、勇気を持ってその企画から撤退する選択を迫られるかもしれません。予算が潤沢にあれば足踏みをしていてもかまわないのですが、そうでない場合、じりじりとクライシスに向かって行進している可能性が高いからです。


◆「結局何もやっていない」というリスクも

時間で実行判断をするというのは一見したところ効率的です。しかし、この方法にもリスクがあって「早めの損切りができる」代わりに「結果的にすぐにあきらめて何もやれていない」という結果に陥るリスクもあります。しかし、「リミットとする時間設定」が適切であればそこそこ正しい結果を導けそうな気がしています。ただ、この「リミットとする時間設定」を長くしすぎてしまうと、ダラダラしてしまうリスクもあって難しいところです。

さて、あらためて今回の【参考例】の最適解を妄想してみると、

「Aの機能を実現する方法をリストアップする1(30)」
「Aの機能を実現する方法をリストアップする2(30)」
「Aの機能を実現する方法をリストアップする3(30)」
「Aの機能を実現性と重要性について検討する(30)」
「Aの機能を使うための基礎研究(30)」

というタスクスロットを作る方法がいいのかも知れません。でも、これまた所詮「机上の空論」なので、実際には「Aの機能を使うための基礎研究」タスクがうだうだと増殖してしまう可能性もあります。このあたり、腕のいいプロジェクトマネージャが「リスクのある未知の技術」に挑む場合はどのようにプランニング保全をしているのでしょうか?……とても気になります。

まぁ、もっとも、「未知の技術」という時点で「開発」というよりも「研究」というカテゴリで考えるべきなのかも知れません。「iPS細胞」を使った新しい治療方法も「○○までに実現させます」ではなく「○○までに実用化を目指す」的な感じですから。

ちなみに、今回の【参考例】を「仕組み開発」にしちゃったので、たとえが適切ではなかったような気がしますが、私が書きたいことはあくまでも一般的なタスク管理のことです。

「技術力が低いヤツが自分のスキルを越えたことをやろうとしていること自体が間違っている」とかというお話をいただいても、ちょっとアレなんですが、私のタスク管理に対する葛藤とそれに対する解決策がちょっとでも伝わって、しかもそれが誰かにとって有益な情報になってくれたら嬉しいです。

2013年4月28日日曜日

Taskchute2で時間を捕まえる

◆Taskchute友の会に参加しました

本当は「ワールドカフェに参加してみよう」という内容で書いてみようと思ったのですが、私にとっては衝撃的というか、とてもインパクトのあるイベントに参加できたので、今回はそれについて書いてみたいと思います。「ワールドカフェ」についてはまた後日。

4月28日(日)、私は「Taskchute友の会」というイベントに参加しました。場所は小岩駅周辺のコミュニティセンターで、参加人数17名でした。その前に、Taskchuteというのは、タスク管理についてひとかたならぬ思い入れと情熱で研究してきた第一人者の大橋悦夫さんが開発したExcelマクロの名前です。

現在、このTaskchuteは無料でサイトからダウンロードして利用することができます。私が使っているのはTaskchute2というもので、これは有料です。オススメなのはしばらく無料版を使ってみて、それで気に入ったらTaskchute2を購入して使ってみるといいでしょう。

無料版も有料版も、「使った時間を記録すること」が基本になります。最終的には「タスクの時間を正確に見積もる」というところにまで踏み込むのですが、使い始めの頃は「ひたすら記録する」という行動をすることになります。正直なところ最初からうまく見積もれません。

なぜなら、「過去の実績に基づく見積もり」ができていないと、予想図ばかり書いてしまってしまい、どうせ守れない見積もりになってしまうからです。守れない見積もりほどモチベーションを下げるものはありません。まして「守れない」ことが常態化すると日々の進歩に悪影響を及ぼします。

というところで、時間を効率的に使いたいと願っている人にとって、「知らない人はモグリ」と言っても過言ではないツールです。なぜなら、そのあたりのことをGoogleなりで調べると必ずでてくるんですよ。Taskchuteというやつが。

今でこそTaskchute無料版が公開されていますが、一昔前は、有料のみの限定公開だったこともあり、Taskchuteは秘密のベールの向こう側にありました。私のように疑り深い人間としては、「よく分かりもしないのにお金なんて払えるか!」なんて思っていました。


◆もともとTaskchuteには否定的な人でした

さらにいえば、Excelのマクロなわけですよ。マクロ。Excelがなきゃ使えないマクロ。もうね、どれだけ手を抜いているんだと。ちゃんと売り物にするんだったら、フルスクラッチでコード書いてくださいよ。アプリケーションにしてくださいよ……とか思ってました。ええ、間違いでした。その理由はまた後ほど。

それでもって、繰り返しになりますけど、プラットフォームがExcelなんですよ。このWebアプリ全盛、クラウド万歳なご時世の中でExcel。クラウドの良さってのはネットに繋がってさえいれば、端末を選ばず、それこそ場所も選ばずに使えるんです。それがExcelですよ。使おうとすると必然的に場所に縛られちゃうわけです。

こんなに縛りがあって有料とかありえんだろう……と思ってました。もともと、私はTaskchuteを知る前から、いろいろとタスク管理のあり方について模索していたり、IT系のエンジニアをしていたことから、自分自身をラクにするためのWebアプリをちょいちょい作ったりしていたので、「よし、じゃあ、自分で作ってしまおう」と思っていました。

しかし、見事なほどの「言い訳」なんですけど断念しました。

 (1) まずタスクアプリを作っている時間が捻出できない
 (2a) Webでサクサク動くイメージが湧かない(読み込みとか更新とか)
 (2b) 急にLANに繋がらなくなったらどうする(タスク閲覧すらできません)
 (2c) Androidアプリを組んでデータを同期するとしてデータが衝突したら?

……いろいろと考えてみると面倒くさいことだらけなのです。本気で商売しようと思わない限り、とてもじゃないけど開発なんてできません。しかも、こんなマニアックな仕組みがどれくらい売れるんでしょうかという話もあります。自分にとって最適なモノが作れたとしても、そこにかかる時間的コストのリスクがありすぎるんです。

で、悔しいけど、一度使ってみたんです。Taskchute無料版を。


◆「ああ、使いやすいじゃないか」

誘惑に負けて初めてTaskchuteを使ったときの衝撃は忘れられません。Excelで実装したというのはまったく無駄のない戦略でした。そもそもExcelというのはMicrosoftの優秀なエンジニアが知恵を寄せ合って作り上げた「完成品」です。そのプラットフォームの上で軽快に動かすことができるのに、Excelと同じ仕組みを最初から作るなんて「車輪の再開発」です。

さらにいえば、もともと大橋さんは「売るために作った」わけじゃないんだと思うんですね。「自分自身が便利に効率的に動けるようになるために」……というアプローチだったのだろうなと。そこがスタート地点だった場合、あえて最初から全部のパーツを作っていこうだなんて、忙しい人は考えないような気がします。

それから、クラウドについても「必要ないんじゃないか?」という結論にたどり着きました。クラウドって確かに便利です。……けど、その実装はけっこう面倒くさいんです。というのが、ネット環境に繋がらなくなったことを考えなければいけなくて、それを考えていないとネットが使えなくなった時点で全てが破綻するんです。

たとえば「圏外」なんてのもそうですし、モバイルWifiルータの電池切れでも同じことが起こります。そういう場合に、ローカル側のアプリにデータを持たせておいて、再度、ネットに接続したときに同期させる……という方法もメジャーな対応策ですが、場合によって端末ごとのデータが入り乱れることも予想されます。(いわゆる衝突)

そういうところまで考えると、なんだかとても面倒くさい。まぁ、できないことはないのだろうけど、仕様を考えるだけで面倒くさい。そういうループの中でクラウド版+Androidネイティブアプリの自作をやめました。だって、根本的には「タスク管理アプリを作る」よりも、「他のやりたいこと」が主役なわけで、そこにコストかけるのってどうなのよと。

というかね、私の仕事のほとんどはデスクワークなわけです。ほとんどがPCの前で仕事をすることばかり。たまに外に出かけますけど一ヶ月に数える程度です。つまり、必死でクラウド版+Androidアプリの仕様を考えたとして、そして、苦労して作り上げたとして、その恩恵にあずかれることはほとんどないんです。いつもExcelが使える環境で仕事をしている。あー、ばかばかしい。


◆Taskchute2の6300円って高くね?

有料ということの妥当性についてですが、Taskchute無料版を使った時点で妥当性はよく分かりました。正直、当初は「Excelマクロに6300円って、高くねーか?」と思っていたんですが、これは正直言って「安い」です。だって「マクロ」そのものの値段ではなくて「ノウハウ」への対価なんです。それにマクロへの対価だったとしても、なおさら「安い」のです。

たとえば、時給が3000円だったとして、Taskchute2と同じような機能が2時間ちょっとで完成できますか?……と聞かれたら、正直なところ無理です。時給2000円だったとして3時間ちょっとで……これも無理です。思い切って時給1000円だとして、6時間ちょっとで……いえいえ、そこまで時間をかけるなら買ってしまった方がいいです。

ええと、見栄を張って6時間とか書いちゃってますが、正直、6日かかっても無理でしょう。6ヶ月でも難しいかもしれない。そこはなぜなのかといえば、Taskchute自体が数年という「ウィスキーにも負けないほどの熟成期間」をかけて生まれているからです。私は負けず嫌いな性格ですが、素晴らしいモノについては素直に賞賛するしかないのです。

実際のところ、使い続けていると細かい挙動として「ラクができる」配慮がいくつもされています。ぱっと見で思いついたのではなく、何回も使い続けて、何度も繰り返されるパターンを見つけて、それを補う機能を地道に追加していって、そこから何回も使い続けて……という工夫が随所に見られます。つまり、「王選手のスイングのマネはできても、ホームランは量産できない」ということです。

Taskchute2には、練り上げられたシステム、練り上げられた効率性……それだけでは語り尽くせない何かがあると思っています。それは「練り上げられた時間哲学」とでもいうものでしょうか。おそらく、Taskchute2を越える何かを作ろうとするなら、少なくともそれができるまでのプランニングはTaskchute2を使ってやるのがいいんでしょう。笑い話みたいだけど。

いずれ、Taskchute2のプラットフォームでもあるExcelが盤石でなくなったとき、そして、本家がクラウド版を作らなくては……なんて動きになった時には、ぜひともそのプロジェクトに参加したいと思いますが、正直、今のところはTaskchute2で何も不満はないので、当面はこのまんま使っていくような気がします。


◆流れゆく時間を遊ばせないこと

Taskchute2を使っていると、「ああ、もう、こんな時間か……一体、今日、何に時間をかけたんだか思い出せないけど、とりあえず忙しかったなー!」なんてことがなくなります。もちろん、今でも、「今日はあっというまに一日が終わったけど、なにに時間を使っちゃったんだろう?」と思うことはあります。しかし、Taskchute2に目をやると、疲れ切った私の脳みその代わりに答えてくれます。

あと、「正直ベース」で記録を付けていくと集中力の低下まで分かるようになります。私の場合、疲れていたりすると、小刻みに休憩の頻度が増加していきます。しかもけっして「小刻みではない」休憩の頻度が上がります。その時の状況を分析して、それと同じ状況が発生してしまったときには、思い切って気分転換をした方がトータルコストが下がるという判断もできます。

それから「できること」と「できないこと」がハッキリするようになります。気持ちが充実している朝なんかは、「あれもこれも今日中に終わらせてしまおう」なんて思いがちなのですが、残念なことに時間には限りがあります。Taskchute2を使っていても、その傾向が見えるのですが、実績分析が甘いときほど、見積もり時間を少なくしてタスクを詰め込もうとしたりしてしまいます。

それから、Taskchute2にあってTaskchute1にない機能として、数日間を通した長期時間予約表が見られるのですが、この機能の存在は大きいです。人間というのは自分に甘くなる生き物のようで、「なんだかんだ言ってもあと30日あるからね」と、ざっくり残り日数をカウントして「永遠に続きそうな小学生の夏休み」と同じ幻想を抱いてしまうのです。

しかし、ちゃんと予定タスクを組み込んだTaskchute2の長期時間予約表を覗いてみると、思ったよりも時間的余裕がないことに気づきます。定例タスクは光熱費や家賃のごとく固定費となって決まった時間を削り取っていきますし、臨時で設定されてしまった会議や面談の時間はより大きい単位で消費されていってしまいます。

すると、実際に使える時間はずっと少ないことに気づきます。正直なところ、私は社会人になってからも、何度「夏休み最終日ののび太くん」を体験したか分かりません。それは「幻想の持ち時間」と「現実の残り時間」をごっちゃにしてしまったから起きた現象だと思います。「徹夜をすればなんとかなる」だなんて見当外れなファンタジーです。


◆今日の友の会で得られた気づき

そんなわけで、活用すると世界が変わる(かもしれない)Taskchute2ですが、本日の友の会ではいろんな気づきがありました。自分自身の発言もありますが、それ自体が友の会が刺激になって言葉になって出てきた感があります。

(1) 先送りってどうしてる?

私の場合は、格好悪くても先送り機能を使って、「■■■ほげほげの仕様を検討する」のように、先送りマークを増やしています。これは自分自身の危機感を煽りたいという意図があるのと、先送りマーク「■」が5回を越えたときに、「着手できない理由」や「本当に必要なタスクなのか?」という要検討案件として見える化したいからです。

これに対して大橋さんのコメントはシンプルでした。「とりあえず1分でもやってみる」ということ。まずは着手したという足跡を付けるということが重要だということです。私の場合、先送りマーク「■」が一定値を越えたところで、タスク名の後ろに「着手する」という言葉を入れることがあります。たとえば、「■■■ほげほげの仕様検討に着手する」とか。

営業テクニックで「フット・イン・ザ・ドア」という話をよく聞いたことがありましたが、これはタスク攻略においても有効なようです。ただ私の実例を思い返してみると、タスクの先送りを何度かしてから「着手」……という対策は後手に回っているような印象をぬぐい去れません。これからは「1分でもやってみる」を心がけてみようかと思います。

そもそも「着手」自体を先延ばしする意味がありません。ちょっとでも「着手」したらゴールなんですから。そうだそうだ。これからは「1分でも着手」にしてみよう。

(2) 外出中のタスク転記ってどうしてる?

私はほとんど外出しないので必要ないのですが、外出するとポイントポイントでTogglで記録して、後からTaskchute2に転記するのですが、これがたまってくると着手のハードルが高くなりそうですよね。これに対して、そうだよなあ……と思ったのが、「外出時間も仕事なので、『外出仕事』というくくりでざっくりと認識する」という意見でした。

私がたまの営業に出かけなくてはいけない時には、訪問開始と訪問終了時間だけをTogglで記録します。その間は特に遊んだりコーヒーを飲んだり……ということはしない人なので(真面目なのではなくて、お小遣いが少ないのと面倒くさがりというだけですw)、必然的に残りの時間は移動時間になります。

ちなみにTogglの小ネタ(?)ですが、過去に一回でも登録があると履歴表示されますので、事前にありそうなタスクを0分で登録しておくと便利です。「ido_移動」、「hst_訪問開始」、「hed_訪問終了」のようなタスクを入れておくと、スマホ入力の時も最初の数文字を入れるだけで候補選択で入力補完されるので便利です。

ちなみに私個人としては、「Place Me」というAndroidアプリを知れたのが収穫でした。……と、いっても、友の会が終わってから、事務所に移動してそこからずっと仕事をしていたので、ほとんど移動していないので実際の評価は今のところ謎です(笑)。Google Latitudeと同じガッカリ曲線を辿ることになるのかどうか……使ってみようと思います。

(3) 脱線しがちな状況をどうすればいい?

脱線の理由にはいろいろありますが、タスク割込みを防ぐ手段として大橋さんが興味深い解決策をコメントしていました。「朝早く仕事を始めることです」ということですが、確かに朝は誰からの電話も入りませんし、メールにしても読む時間を「いわゆる営業時間」まで遅らせておけばペースを乱されることもありません。

さらに、Webページを読み言ってしまうリスクについてですが、「意外とWebページにうつつを抜かしてしまうのって夕方以降だったり、疲れた頃だったりしません?」というコメントもあり、実際にその通りだなあと。朝、これから始まるって時に、いきなりWebページにうつつを抜かすっていうのは、不思議と少ないですよね。時間がもったいないというか。エクスキューズがないというか。

あと、通常時間の脱線で一番多いのが「誰かから声をかけられる」ということですが、これについても興味深い解決策が検討されました。大橋さん曰く「声をかけてきた人の顔写真を撮っちゃえば?」という大胆な意見。ケンカになると時間がもったいないので、さすがにそれはできませんが(苦笑)、代わりに紙に人の名前を書いておくのはありですね。

笑い話としては、「話しかけるたびにタイムカードを押してもらっては?」とか「持ち時間を設定して超過分は何かでお支払いいただいては?」という意見がありました。どれも真顔で実行できる作戦ではありませんが、確かに誰にどれくらい時間を使ったかという情報は重要で、頻繁に繰り返される割込みパターンには、それ自体にタスク改善の余地があると考えていいでしょう。

長くなってしまいましたが、Taskchute2って、本当に人生の時間の使い道を意識させてもらえるので超オススメですよ!……というのと、Taskchute友の会、かなり刺激になりますヨ……ということで、いつもの倍以上に長くなってしまった本日のエントリを終わろうと思います。

ところで、ありがたいことに、大橋さんご本人から著書をいただいてしまいました。厚かましくもサインまでしてもらっちゃって。最近、凹むことの多かった日々でしたが、一気に持ち直してきた感があります。ぐぐっと気合いを入れてなんとかがんばっていけそうです!

『「いつかやりたいこと」を「今からやること」に変換するスマホ時代のタスク管理「超」入門』です。

そろそろ帰宅しようかと思っているので、超読みます!……感謝!
えっと、ホントにこれで本日のエントリを終わります。

2013年4月20日土曜日

フラッグとビルドの何が違うの?

◆お問い合わせがあったようなので……

私は、現在のところ、障害者就労移行支援事業所の「ビルド」と「フラッグ」の2ヶ所で「即戦力ITコース」という講座を担当しています。私の中ではどちらがどちら……という区別をしていなかったので、特に気にしていなかったのですが、このブログを読んでくれていた方からお電話でお問い合わせをいただいたそうなので、ちょっと書いてみようかと思います。

【質問】 まつしたの『即戦力ITコース』はフラッグとビルドで何が違うの?

では、お答えします。
……と、その前に、わざわざお問い合わせをくれた方、本当にありがとうございます!

さて、この「フラッグ」と「ビルド」というのは、同じNPO法人の下で運営されている就労移行支援事業所です。ひらたく説明してしまうと、次のような違いがあります。

 ■障害者就職サポートセンター「ビルド」
  →最寄り駅:(京成線)国府台
  ・メンタルでお困りの方の全般が対象
  ・年齢制限は特になし

 ■ユースキャリアセンター「フラッグ」
   →最寄り駅:JR市川・(京成線)市川真間
  ・特に発達障害でお困りの方が対象
  ・35歳以下の方を対象

つまり、どちらの「即戦力ITコース」がいいのですか?……というご質問の前に、どちらに入られますか?……という話が先になるんですね。

ちなみに、2013年4月現在において、まつしたが常駐しているのは「フラッグ」です。


◆選ぶことができる場合にはどちらがいいの?

「ビルド」でも「フラッグ」、いずれも私が担当している「即戦力ITコース」でやっていること自体はあまり変わりません。基本的には「自己解決力を身につけて、自分一人で困らないためのスキルを身につけていく」という体験をもとに、新しいことにチャレンジしていただきます。

しかし細かいことを書くと、やはり変わってきます。それは私が常駐している「フラッグ」の方が、お会いできる回数が必然的に増えると言うことです。つまり、ちょっとしたことを聞きたいときに、どちらがチャンスが多いかと言えば圧倒的に「フラッグ」の方がラクかもしれません。

「ビルド」の方は1週間に2時間だけ出向いて講座を開いているので、少なくとも「即戦力ITコース」関連においてはそれほど手厚くフォローできませんが、「フラッグ」であればちょくちょくと相談に乗ることができると思います。もっとも、「自己解決力」が活用できていれば、どちらでもそれほど困らないのですけどね。

それから「即戦力ITコース」以外の特典(?)として、「フラッグ」では、まつしたが独自に開発した「松下式タッチタイピング」を毎日午後に受講することができます。これは、飽きっぽくて、不器用で、スキル習得が苦手なまつしたが、もともと「自分自身のために」開発したタッチタイピング習得法です。

このタッチタイピング練習法の講座は、まつした以外のスタッフに担当していただいているのですが、早ければ2週間程度で効果がでてくるということで、ひそかに人気があるようです。というよりも、もともとは「自分用」だったので、「他の人の役にたつかなあ?」と思っていたくらいだったのですが、思いのほか効果が高かったので教材化しました。


◆そもそも「即戦力ITコース」ってなによ?

ここまできて、このタイミングで聞きますか?……っていう感じですが(苦笑)、簡単に説明します。

【即戦力】
 →いわゆる「自己解決力」を身につけていただきましょう

【IT】
 →(1) ITを便利に使って自分自身の苦手を補ってしまいましょう
 →(2) 興味があればIT業界へのキャリアを目指してしまいましょう

単語で分割して説明すると、だいたいこんな感じです。

「即戦力」っていうと「入社した途端に仕事がバリバリできて……」なんてイメージをよく聞くのですが、たいていの場合、そんなことはありえません。そんなの幻想です、妄想です、ファンタジーです(笑)。そもそも「バリバリ」というのは具体的に「何ができている」ってことなのでしょう?

どれだけ知識を持っていようと、スキルを持っていようと、入社して最初の数ヶ月は環境に慣れるだけでいっぱいいっぱいです。コピー機の使い方のルールやら、交通費の精算方法、仕事の流れと暗黙のルール、○○に詳しいのは誰なのか?……など、新しい環境で新たに知らなくてはならないことが満載です。

その中で、どうしても分からないことは新しく入った会社のスタッフに聞くしかないのですが、「わからないこと」には二種類あるんです。ひとつは「一般的なこと」そして、のこりが「その会社のローカルルール」です。ローカルルールはそこの人に聞くしかありません。

会社に入ると、「なんでも分からないことは聞いてくださいね」なんて言われますが、「一般的なこと」ばかり質問していると、だんだん「お互いにつらく」なってきてしまいます。聞かれる方はどんどん仕事の時間がなくなっていきます。聞く方も迷惑をかけているような気がしてきて聞きづらくなります。

基本的に会社組織というのは「人が増えた直後は効率が低下する」のです。新人に仕事を伝えるという仕事そのものが時間を圧迫するのです。つまり、「入社すると、その直後は必ず既存のスタッフに迷惑をかける」ということですね。

「しらないこと」には「一般的なこと」と「ローカルルール」のふたつがあるのですが、そのうちで「一般的なこと」くらいは自分で解決しましょうというのが、私が伝えている「自己解決力」というものです。「戦力になるということ」は「それまでの職員をしあわせにすること」です。

つまり、入社直後に「自分で解決できそうなことは解決を試みる」という姿勢そのものが、自分自身の「お荷物感」を軽減することに繋がります。あくまでも相対的なものですが、「手間のかからない新入社員」はそうでない人に比べて「即戦力」であると言えます。


◆別に「IT」を目指さなきゃいけないわけじゃない

次に「IT」についてですが、私の講座に出たからと言って「IT業界にいかなければいけない」というわけではありません。むしろ、「IT業界にいかなければいけない」と構えてしまう人には、あまりその業界は向いていません。どちらかというと「好きだから行く」という方がいいと思います。

じゃあ、なんなのかということですが、まずは「ITを味方にする」ということに尽きると思います。たとえば、私は記憶力がそれほど高くありませんが、そういう類のモノはITサービスを使って、自分の代わりに多くの記憶を委ねています。スケジュール管理もそう、単調で大量の仕事もプログラミングで正確かつ高速に終わらせます。

自分の足りないところを、どうやってITを使って補うのか……ということを身につけて欲しいと思っています。これは、先ほどの「自己解決力」というのもその一環ですね。自分の知らないことを「いつでも」「どんなことでも」「IT技術を使って」「解決する」という行動になります。

ひらたくいえば「ITを使ってラクをしましょう」ということです。しかし、ここで勘違いしないでください。「効率的にラクをする」ためには、効率的にラクをしようと思っていない人の数倍も頭を使わなければなりません。つまり、「先に苦労をしておいて」「後からラクをする」ということです。まぁ、そこらあたりが「ITを味方に付ける」醍醐味でしょう。

そして、「ITという道具」に慣れてきたら、「業界」としての「IT」に目を向けてみるといいかもしれません。なぜなら、就職する環境として他の職種よりも有利なところがあるからです。それは「競争率が一般事務や軽作業に比べて低い」ということです。そして専門性が増せば増すほど給料水準も高くなる傾向にあります。

なぜ競争率が低くなるかと言えば答えはシンプルです。「IT業界って難しそうだから……」とか「一般事務だったら自分でもできるかも……」というハードルを越えていく人が少ないからです。逆にいえばこのハードルを越えていくことができれば、違った選択肢を手にすることができるのです。


◆「ちょっと突き放した感じ」の講座でございます

ちなみに、よく「Excelとかを教えてくれるんですか?」なんて聞かれるのですが、私のコースでは教えません。もう一度書いておきます。教えません!……「教えてもらわなくてもスキルを自力で身につける」ための基礎を身につけていただくことに時間を割いています。

どうしても「手取り足取り」じゃないと厳しい人は、街のそこら中に「パソコン教室」がありますので、そちらへどうぞ♪……また、まつしたの担当ではありませんが、「フラッグ」にも「ビルド」にも「パソコン基礎」を「教える」クラスが週に2時間ずつあるようですので、そちらに出てもいいかもしれません。

……ちょっと本筋からずれてしまうのですが、「Excelをマスターしたい」とか、私にはよく分かりません。「Excelをマスターするのが目的」なんじゃなくて、「Excelを使って仕事をラクにするのが目的」なんだよね。すると、漠然と「Excelをマスターしたい」なんて言うんじゃなくて、「Excelの何を知りたいのか」を具体的に言えていないといかんのだと思うのです。

「初心者はそれができないから困っているんじゃないか」と思うかもしれませんが、まず、初心者を卒業するところから始めた方がいいのです。もっと丁寧に言うと「初心者意識」から脱却することが何よりも重要なのです。初心者の傾向というのは「なんでも教えてもらおうとする」習性があります。

私がたてた方針は、実際にエンジニアが「自力でスキルを獲得していく手順」に沿ったものなんです。一度、教えられグセがつくと、自力で解決しようとする力が衰えてしまいます。分からないことでも順を追って考えるクセを付ければ、必ず自力で分かるようになってきます

そして、私はその方法を一生懸命伝えていきます。そんな感じのコースですが、ご興味のある方はお問い合わせください。
※連絡先はこの記事の右側の柱部分に記載しています。(2013年4月20日現在)