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2013年2月17日日曜日

今の人生の楽しみ方を探す


◆いろんなこと……仕方ないんだよ

先日、とある親睦会に出かけたのですが、その時のメンバーにこう言われました。「そういうところ、松下さんは苦労が多いですねえ」と。その苦労がなんなのかはさておきましょう。そんなことよりも、私は知っていたのです。そこにいたメンバーがそれぞれ抱えている問題を。

ひとりは健康上の問題で爆弾を抱えていて、かなり生活に制約が加えられています。ほかのメンバーでもご家族で課題を抱えた方がいて、その方のケアに奔走している方です。すべてが満ち足りた人生というものはそうそうなくて、なんらかの課題を背負っているものです。

世の中、どんなに努力をしても、どうしても解決できないことがあります。たとえば「初恋」というのも、うまくいかないことの例として引き合いに出されます。どれだけ自分が相手のことを思っていたとしても、相手が致命的なほどに自分のことが好きになれないのなら、それはどうがんばっても叶わない夢なのです。それでもあきらめきれなくてストーカーになってしまう人もいます。

残念なことですが、「あきらめなければならない」現実と対峙しなければならないことは星の数ほどあります。たとえば、「若かった頃に戻りたい」という願いがあったとしても、その願いは少なくとも今世紀中に叶うことはなさそうです。また、200歳まで生きていたいという夢もなかなか実現しなさそうです。

◆変えられることと変えられないこと

さて、私はメンタルでお困りの方、特に発達支援が必要な方々が就職できるようにする仕事をしています。そういう方々からよく聞くのは「私は人生の一番大事な時間を失ってしまった」という話です。そして、誰がどう努力しても、その人が「大事な時間」と言っている過去に連れて行くことはできません。

「失ったものは戻らない」という現実がそこにはあるのですが、この悩みから脱出するために必要な視点軸が2つあります。それは、「失ったと同時に得られたものはないのか?」という視点でもあり、また「これからの時間を『大事な時間』にしていくことはできないのか?」という視点でもあります。

(1) 失ったと同時に得られたものはないのか?

私の話をしましょう。私は最初の就職に失敗しました。入社後、1ヶ月もたたずに退職するという挫折も味わいました。さらにその後も人間関係がうまくいかなかったり、トラブルをさんざん味わいました。木材加工会社、国家公務員、第三セクター、会社員、役員、ハケン、個人事業主……いろんな立場で多くの現場を回ってきました。

普通に考えると「転職回数の多さは信用を失う」と言われます。たしかにそうなのかもしれません。しかし、私にとってはこの体験こそが大きな財産と言い切れます。まず、「常識」というのは、たいていの場合「その組織内でしか役に立たないローカルルールである」ということを知りました。そして、あわない仕事を経験することで、逆に自分に向いている仕事を知ることができました。

私は、数多くの現場で抱える共通した問題について横断的に熟知しています。いろんな立場を味わってきたからこそ、常に多面的な立場で物事を捉えることができます。私は一般的に「信用を失う」と言われている人生の歩き方をしていますが、私はその体験から、私にしかできないアドバイスができるのだと思います。

(2) これからの時間を『大事な時間』にできないのか?

基本的に過去の解釈を変えてしまうだけで、ほとんどの場合は解決してしまうのですが、どうしてもあきらめられない時にはどうすればいいのでしょうか。基本的に過ぎてしまったことはどうにもなりません。そして「過ぎ去った時間ほど『美化』されてしまう」ものです。「昔は良かった」と後ろを向いていてもつらいだけじゃないですか。

そんなことを考える時間があれば、「これからの時間をどうやって『大事な時間』にしていくのか」ということに時間を使った方がよっぽどいいでしょう。過去は変えることができません。過去の解釈は変えることができるのですが、それすら難しいのなら、もう、その時間は「捨ててしまう」しか手段がないのです。

おそらく、これからの時間が『大事な時間』として輝き始めるのだとしたら、それよりも前の時間は、必然的に『輝いた時間を手に入れるための伏線だったのだ』というストーリーに変わっていくことでしょう。生きている限り、そして意識がある限り、これからの時間の意味を変える資格を持っています。

◆クヨクヨする時間が一番もったいない

クヨクヨすることというのは、たいてい、過去の過ちを後悔することが多いのでしょう。おそらく「変えがたい現実」との対決に苦しんでいるのだと思います。かくいう私にしても、そういうことはよくあります。そういうマイナスな力をどのように利用しているかと言えば、こういうブログのネタとして活用しているのです(苦笑)。

基本的にマイナスの出来事というのは、受け止め方を変えてみると大きなチャンスになることが多いのです。「苦難」を「苦難」として受け止めるだけでは、普通すぎるじゃありませんか。そんな普通のリアクションは「苦難」の思うつぼです。「苦難」が悔しがるような形で「チャンス」に変えてやりましょう。

2 件のコメント:

  1. 松下さん、いい話です
    その通りだと思います

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    1. ありがとうございます。失敗談には困らない人生を歩んでいます(苦笑)。

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