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2012年6月20日水曜日

職業選択の自由のために

メンタルでお悩みの障害者周辺の就職事情で、大きな課題は「実質的に職業選択の自由」が限られているということ。これには課題がふたつあると思っています。(「身体障害」だったりすると、比較的障害者手帳を持っていない人と同等のクオリティの職業に就きやすかったりします。)

(1) メンタルというだけで企業側が「軽作業」「事務作業」「清掃」に職域を絞ってしまう
(2) そもそも支援者に専門職(IT、経理、法務など)の経験者がおらず選択肢を知らない

私が考えている「職業選択の自由」に関する課題はこのふたつです。

まず、(1)から考えると、必要なスキルを持っていたとしても、オープン(障害手帳を持っているよ……ということを企業にカミングアウトすること)で就職を狙ってみても、求人票をみると「コピー機使えますか?」「シュレッダー使えますか?」というリクエストが多かったりします。なんとも残念な現実です。

ただ、その一方で、(2)の課題も残念だと思うんですよね。「選択肢をしらない」ということは、本来であれば「適性」があったかもしれないのに、知らないせいで「人生レベルの機会損失」をしている可能性があるということですね。この課題を何とかしたい……というのが、私が「即戦力ITコース」をやっている理由だったりします。

現実的に(1)の課題は重いものです。で、「がんばってみても『出口』がないのでは、どうしようもないではないか」といわれてしまうと、現時点においては確かにそうかもしれません。しかし、それでも(2)から始めなくてはいけないのです。なぜかといえば、(2)から解決しないと、(1)の課題にアプローチできないからです。

企業に「『軽作業』『事務作業』『清掃』以外の人材を雇ってください」とお願いしたところで、現実的にそれに該当する人材が少ない状況では、それまでなんですよね。また当事者が「社会環境が整ったら○○の仕事をしたい」と思っていても、おそらく受け身のままの姿勢では百年たたないと状況が整わないかもしれません。

しかし、たいていの人生は百年も生きられません。そしてまた、「生まれ変わって次の人生を体験できる」保証なんてどこにもありません。ほぼ、「そんなことは現実にない」と思っておいた方が一般的には無難でしょう。だから、今の人生を無駄にするなんてことはもったいないんです。幸せに生きる可能性に賭けた方がいいんです。

そうならば、社会を積極的に変えることに力を使った方がいいというのが私の考え方です。しかし、私が考える方向性は「障害者の権利擁護」とは全く関係のないものです。むしろ、本気で「職業選択の自由」を勝ち取るためには「障害者の権利擁護」からスタートすべきでないというのが私のスタンスです。

「被害者意識」から得られるモノは少ないことを知っておくべきだと個人的に思います。基本的に「被害者」が「かわいそう」という理由で企業は動いたりしません。障害者の雇用に熱心な企業でも、本質的には銭勘定で動いています。そうでなければ、企業が厳しい社会情勢の中で生き残るわけがないのです。

すると、企業を動かす本質的な力はなんなのか?……ありていに書けば「その企業にとっての利用価値が高いかどうか」に尽きます。これは障害者手帳の有無に関係なくそうでしょう。障害者を雇用すると国から様々な助成金が企業に支払われます。つまり雇用そのものについては障害者の方が企業にとって有利といえると思います。

あと、必要なもの。それは、「障害者手帳を持っていない人と渡り合える人材」という条件です。「障害者手帳を持っていない人と同等」で、「雇用コストが障害者手帳を持っていない人よりも低い」ということが事実として常識になれば企業の意識は間違いなく変わるでしょう。障害者手帳オーナーの方々、これを聞いて「無理だ」とあきらめますか?

私はこの可能性を大まじめに追いかけてみようと思っています。私は7月から今とは異なる新しい道を歩き始めることにしました。社会を変える可能性のある人たちと本気の冒険に出るんです。冒険の記録はブログに書いていきたいと思っています。ついてきてくれる勇気のある仲間が「勇者様」になれる日まで私は走り続けます!

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