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2013年1月26日土曜日

同意を得られないところがおいしい


なんというか、「あまのじゃく」というか、ある程度、我ながらあきれるところもあるのですが、私は「あまり同意されない意見」というのが好きです。確かにマーケティング的にいえば、多くの人が同意してくれる考えを推進していった方がいいに決まっています。

しかし、私は誰もが「いいね!」ボタンを押さないような考え方を大事にしたいと思っています。理由はいくつかあります。

(1) 誰もが「いいね!」と思うアイデアは自分でなくても誰かができる
(2) 誰もが「いいね!」と思うアイデアはブルーオーシャンになりづらい
(3) 声を出せない人たちや声の小さい人たちが救われるアイデアがある
(4) 「いいね!」と思われない方が開拓精神が刺激されて楽しい(笑)

私が位置している領域は「メンタル的なハードルがあるけれど、実は隠れた才能がある人たちに活躍してもらう」という仕事です。メンタル的なハードルっていろいろあって、幼児体験からの囚われもあれば、人間関係の距離感が分からずに痛い思いばかりしたせいで人間が怖くなっちゃったりとかいろいろ。

概して、そういう人たちを仕事に就かせようとすると、「すこしでも社会に適応するように」というアプローチで挑むことになります。もちろんそれは正しいアプローチの一つだと思います。しかし、もう片方からのアプローチ。つまり社会からの歩み寄りというところを私はもっと考えていきたいのです。

最近では、メンタルで障害者手帳を持つ人の雇用環境はだいぶ充実してきたように思います。しかし、「ここくらいまでなら適応できるんじゃない?」という健常者目線の環境が依然として多いと思います。障害を「穴埋め」して健常者に近づいてください……的なアプローチというか。

私はもうちょっと先に進んだ就労環境を考えています。それは障害を「穴埋め」するのではなく、障害そのものが持っている「メリットを前面に押し出す」アプローチです。ある意味、既存の社会のルールをある程度崩壊させても、その人にとっての最適解を導き出すような就労環境はないかと考えているのです。

企業に対して「法定雇用率を満たさないとマズイですよね?」とか「CSRという観点で御社にとってプラスになりますヨ?」とか……そういうアプローチじゃなくて、「本気で戦力にする」という観点で提案できればいいのですが、実際のところ、実運用例がないと企業側も無駄に冒険はできません。

今、MovingShop株式会社ではそういう視点を持ちながら、手帳の有無に関わらず、かつ、既成の概念にも囚われず、どうやったら「個性が強烈すぎる人(笑)」の良さを引き出す就労環境があるのかを模索しています。そして成功事例を社会に還元していこうという試みを始めています。

今はまだ私たちが行っている試みが、まだ社会から同意を得られないかもしれません。しかし、社会から同意を受ける前に、「ユニークな個性」を持った人だけにでも「いいね!」されるような環境作りを最優先に、まだ一般社会から「いいね!」されないアイデアを大事にしていこうと思います。

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