+1

2010年2月3日水曜日

決断とか責任とか

そりゃやっぱり、かっこいいコトばかりじゃないなと。私が気合いを入れまくっている「即戦力ITコース」でついにクレームが発生。スピードが速すぎるということ、そしてプレッシャーが強すぎるという理由で、受講生の精神的な負荷がついに限界を超えてしまったようだ。

そんなわけで向精神薬の量が増えたり、アルバイトを休んでしまう受講生が続出。この事態を受け急遽、先週の講義では展開をスピードダウンさせた上に、なぜ、そこまで講義の展開が早かったのかを説明した。今までは実習による「実践」に重きをおいていたが、この日は「座学」にシフト。

私には二つの想いがある。ひとつは精神疾患の当事者に歩み寄ったストレスの少ない環境の構築。一方では「お花畑」ではない「本気モード」を当事者に知ってもらうことだ。つまり、職場環境を彼らに近づける方向性と、彼らを既存の職場環境に近づける方向性。

その二つの方向性は、既存の職場環境にとっては「ハードルをギリギリまで下げる」ということであり、当事者にとっては「ハードルをギリギリまで上げる」ということでもある。見極めはとても難しいことだが、この「ギリギリ」の境界線を「さらに少しだけ下げたところ」がこれからの低ストレス環境の領域になるんだと思う。

ある種の福祉業界(もちろん全てとはいわない)はこのあたりのさじ加減がへたくそだと思う。つい「いいこいいこ」ばっかりしてしまいがちな気がする。本当はもっと上にいけるのに「ここが限界」と周囲が勝手に決めつけて、レベルを固定してしまう傾向があるような気がする。

私は違うと思う。多少のリスクを負ってもその人の限界を見極めるべきだ。どんな人の人生にも一度くらい「一か八かの大ピンチ」という局面があるはずだ。もちろんピンチは少ない方がいいだろうが、ピンチを乗り越えた時に対応力が成長することも多い。

私はこの「即戦力ITコース」を開講した時、覚悟したことがある。それは「当事者の可能性を真剣に信じよう」ということだ。可能性を信じるということは、場合によっては限界を確認するためにリスクを冒すことも辞さないという覚悟が必要だと思う。

それにしても前回の講義で実施した試みは、あまりにドラスティックすぎてインパクトが強かったようだ。何を実施したのかという話は、適切な着地点が見つかるまではリスクが高いこともあって、まだ具体的にここには書けない。いつかここに書きたいと思う。

ともかく反響が強すぎたこともあり、1/29の講義はかなり人数が減るだろうと考えていた。実際にいつもの皆勤組の中でも不参加者が目立った。それでもパソコンが足りなくなる程度の受講生が集まってくれた。あれだけ大変な目にあったにも関わらず、それでもまだ私を信じてくれている。

集まってくれた受講生たちに本気で感謝した。そして大きな不安もあるだろう中で、私の講義に送り出してくれたご親族の方々にも感謝するばかりだ。私にできる限りの何もかもを出し尽くすくらいの気持ちで、今後も「即戦力ITコース」を続けていきたい。

私は彼らと「一緒に幸せのゴールを目指す同志」という対等な立場として、彼らには大きな借りがあると思っている。彼らが苦しんだ分だけ、私には彼らを幸せな結論に導く義務と責任がある。

まあ、「幸せのゴール」なんていったって、私は宗教家でも教祖でもない。「幸せ」なんてのは、ひとりひとりが自分の責任でしっかり持っておくべきだ。そのために「夢」を描いてもらったわけで、私にできることは、その「夢」を叶えるために何をすべきかを考え、それを伝え、一緒に伴走することだけだ。

よく、私の講義は「無茶だ」と言われる。「無茶」を承知でやっているのだから仕方がない。あのね・・・今まで常識の中でやってきて、それでも就労状況が好転していないのだ。

そうであるならば常識に縛られる必要なんぞどこにもない。非常識でもいいから前に進むことだ。まずはそれが大事だと思う。

2 件のコメント:

  1. 即戦力ITコースを受講しております、K.Yamaseです。私的には大変刺激になっております。何か昔を思いだします。これからも宜しくお願い致します。宿題はまとめて提出致しますので、御許しください。

    返信削除
  2. Kさん。
    コメントありがとうございます。
    それからいつも毎週ありがとうございます。
    早くいい結果を体験してほしいと思います。
    そのためにも一緒に前を向いていきましょう!
    よろしくお願いしますね!

    返信削除