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2011年3月2日水曜日

ハイブリッド型な人材

障碍者就労移行支援の現場にいると「条件に合う仕事がない」という悩みをしょっちゅう聞く。スキルはあるのに体調的な兼ね合いでうまくいかないこともあれば、特定の障碍に対して仕事の需要がまったくないということも少なくない。

仕事がみつからない場合、その状況を改善するための単純なアプローチとしては「職域を広げる」という方法がある。一般的すぎる職域であれば競争率の高さからマッチングが難しくなるだろうし、逆にニッチすぎる職域でも採用人数の少なさからマッチングが難しくなる。

だから、一般的すぎず、かつ、ニッチすぎない職域に進出するのがいいということになる。できれば「ちょっと難しそう」とか「ちょっと大変そう」と思われる領域を選んでみるといいんじゃないだろうか。人が躊躇する領域に極上の仕事があるのだから。

それから「器用貧乏」といわれようと、得意分野を複数用意しておくといいんだと思う。人を雇用する上で困るのが仕事の配分だ。どんな仕事でも少なからず波がある。仕事がなくなってしまった人を放置しておけば、働かない人にコストがかかり続けることになるし、そういう人に新しい仕事を作って割り当てることにもコストがかかるのだ。

しかし、たとえば「簿記経験」と「サイト更新経験」を持つ人材が、社員の少ない中小企業に入社したとしたらどうだろうか。普段は会計ソフトを使って経理の仕事をする前提だとしても、この人材には会社にとって大きなメリットがある。

経理の仕事が一段落しているタイミングで、手つかずになっていたサイトを更新してもらえるかもしれない。サイト更新部門のスタッフの退職などでサイトの更新ができなくなってしまった時も、サイト更新のできる人材がいれば急遽活用することができる。

そんなわけで何かメインの専門以外に、何かあとひとつくらいサブスキルを持っていると、いろいろと「使い勝手のいい人材」=「需要のある人材」になれる。営業活動をする人材にしても、何か他に得意分野を持っていれば、いつか仕事に活用できる可能性は高い。

今の時代「コラボレーション」で付加価値がついてくる事例は多い。一見、関係性が薄そうなモノとモノが絡み合って、新しい価値が構築されることも少なくない。個人の場合「興味」とか「趣味」という次元で「人材としての付加価値」がつくといえるだろう。

昔、「趣味をやるなら徹底的にやるべきだ」という訓話をなぜか就職セミナーなどで聞いたことがあるが、まさにこのことだったんだなあと最近思う。趣味とか好奇心を無駄にしちゃいけない。無駄だと思うことに何かのヒントが隠れているのだから。

そんなワケで「このスキルって本当に役に立つの?」と思ったとしても、それが自分にとって楽しいことだったとしたら、大いにやった方がいいと思う。なぜって楽しいと思えることの方が、比較的苦労しないで多くを吸収することができるのだから。

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