+1

2011年7月6日水曜日

数字の実績としあわせ

現在のところ、まだ、ジョイワークセンターからの卒業生は出ていない。なぜなら、新しい可能性を見つけた人たちが、そのまま徹底的にスキルを磨いているからだ。

一方で他の事業者の支援員さんの中には「どこだっていいんだよ。長く働ける職場に入れれば。」と話す人もいる。これもその通りかも知れない。

実際にこの支援員さんは「数字」としての実績がある。そういう意味では、非常に大切なアドバイスだ。特に「どこでもいいから、入れるところに就職したい。」という人にはいい考え方だと思う。

速効性のある対応は多くの利用者を幸せにするだろう。しかし、自分なりに明確な方向性を持った人に「どこでもいいから入れる会社に入れてしまおう。」というのはどうなんだろうと思う。

失礼なたとえになるかもしれないが、動物園で「決まった時間に確実に食料をもらえりゃ幸せだろう」と言われる動物のような気がする。私が動物だったらそんな動物園の生活はいやだ。

私が考えている就労支援とは、今まで本人すら気づかなかった才能を発掘して、ワンランク上を狙うことだ。「ワンランク上」というとよく誤解されるが、職業の貴賤のことを言っているわけではない。

つまり、「自分の意向とは違うが就職できるところを目指す」という選択肢の上には、「自分自身のスキルを高めて自分の願う仕事があるところを目指す」という選択肢があるのだ。

私はここに徹底的にこだわりたい。「仕事に就く」だけではなく「自分のやりたい仕事に就く」ということだ。実はものすごく厳しいことを私は書いている。そのために必要とされる努力は並大抵ではないからだ。

ネガティブ思考を徹底的に叩きつぶしてポジティブにしていかないといけない。誰かに頼るのではなく自分で自己解決をする姿勢を私は強く要求する。自分の人生を変えるということは、つまりそういうことだ。

「入れそうな人をどんどん企業に入れていく」就労移行支援事業者はたくさんいる。そして日本には、まだまだ働きたくても働けない当事者の数は多い。だから、そういう支援員の方々の存在意義は大きい。

しかし、そういう方々が多いのであれば、なればこそ、私は「自分自身ですら気づかなかった夢を探し出し、その夢を成長させて人生を大きく変える」就労移行支援をしていきたいと真剣に考えている。

本気で生きる当事者が、本気の夢を追いかけて、その夢を成し遂げていく場所を作りたいのだ。「障碍者は仕事にありつけるだけでしあわせ」という構図を崩していかなくてはならないと思っている。

0 件のコメント:

コメントを投稿